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2012年02月24日20:12

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グリッドの多重層。(再掲載)

逆スラムなるものがある。

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通常、スラムは地べたにイチバン近いところに出来るが、上の香港に見られるスラムは、ビルの屋上に出来た珍しい例だ。
当然、違法建築で、下水、火災などで周辺に迷惑をかけまくりである。
我が国では荒川、隅田川などでホームレスがブルーシートや段ボールのハウスを造ると簡単に撤去出来るけれども、それは点の状態だからであって、点は空間に存在し続けるのは難しい。
しかし、点が幾重にも重なり、連なり、線や面の状態になると、空間を占拠することは可能で、そうなってしまうと、撤去は不可能に近くなってしまう。

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元々、都市計画における点、線、面の重ね合いは、ご覧のようにグリッドとして、どんなに予想外の重ね方をしても幾何学的な美しさを形成する。

香港の逆スラムもそうで、外部、内部、どちらから見ても、生態建築として美しく機能している。

従って、グリッド上では、正義だとか、人権だとかに基づいた法律は何の意味もなさない。むしろ、コンピュータ上でのグリッドにおけるウイルスと同様に、瞬時にブロックされてしまうものだ。

ここで通用するのは、怠惰、不注意、世間知らずといったものと全く正反対の生存能力である。つまり、我々にもっと必要なのは、点から点といった飛び石的な考え方ではなく、脳を瞬時に何層にも覆う、面から面というグリッド的な考え方だ。

もっと簡単に言ってしまえば、相手を男か女と視認するのではなく、背景や全体的な特徴をとらえて、今この瞬間、何をしたがっているのかを理解しなければならないのである。

もう一度、逆スラムをご覧になって、都市空間を我が身に置いて、生存条件について考えてみると、イロイロと気づくものがあるはずだ。

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