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2009年06月09日00:01

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ホームレスにコッヘルを譲る。

檀家の息子さんなので、昔からの顔見知りではあるが、シャレにならないヘタを打ってしまい、親から勘当されたF君が久しぶりにお寺に顔を出してきた。
見るもみすぼらしい格好をしていて、デイバッグに紙袋を三つぶら下げている。
何でも派遣の仕事をしていたそうだが、今年の五月の頭に解雇されて、ホームレスになったばかりとのこと。
事情が事情だから、オレから親御さんに勘当を取り消してもらうよう取りなしてやろうかと持ちかけたら、いえ、結構ですとハッキリ断った。

「僕がここに来たのは、犬神さんのキャンプ用品を分けて頂けたらと・・・」とF君。
「うん、いいよ。何が入り用だえ?」と私。
「ストーブ、コッヘル、トースターの三つでお願いします」
「よし」

ストーブとコッヘルはキャプテンスタッグのを。

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トースターはプリムスのを。

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ストーブはいずれ燃料切れになるが、火元さえ確保出来ればこの二つのクッキングツールだけで、死ぬまで十分の食生活が送れるのだ。
私もこれだけの装備で、バイクに乗って野宿を繰り返しながら夏の北海道をツーリングしたことがある。

以前、ストーブとコッヘルだけで十分じゃないですかと生意気をいうたわけ者がいたが、そいつはストーブに直接コッヘルをかけて思いっきり底を焦がしていた。
トースターをストーブにかけて、その上にコッヘルを乗せると底が焦げつかない。
そのためのトースターでもあるのだ。
パンと餅などを焼くだけのツールではない。

http://www.iwatani-primus.co.jp/products/primus/25.html

ココで買えるので、ひとつは是非持っていることをオススメする。

「これからどこへ行くんだい?」
「長野の友達のところへ行きます。山小屋をやってるんで、ポーターで雇ってくれるそうです」
「おお、そうか。それなら電車賃くらい出してやるよ」
「いえいえ、歩いていきます。それでキャンプ用品をお願いしたんですよ」
「そうか、気をつけてな」
「ありがとうございます」

浅草から長野まで徒歩で歩いていくというのは、実に見上げたものだ。
そこで、クッキング・ツールは提供したけれども、食材はどうするんだろうと我にかえったが、F君は子供の頃ボーイスカウトにいたので、山のなかでの食材の調達に長けていることを思い出し、心配ないかと安心した。
私の場合は、赤貧学生時代、市場に潜り込んで、清掃員のふりをしながらビニール袋に野菜くずを拾い集めて、もうひとつのビニール袋に魚屋の生ゴミから頭つきのホネをいくつか取って入れて、それらを持ち帰って煮込んで、スープにして露命をつなぐというサバイバル生活を送ったことがあるので、山でも都会でも生きていける自信はある。

ホームレスであっても。

こういう風に、前向きに生きていくならば、きっと道は開ける。
ハローワークや政策に頼ってばかりではなく、まず、自分自身の生存本能を高めるべきだろう。
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