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2024年04月28日23:00

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板橋区立美術館の洋風画展,面白そうです(⋈・◡・)

 面白そう(⋈・◡・) 純粋な絵画鑑賞のみならず西洋文化の受容に関する考察を深めるという意味でも,是非お邪魔したい展覧会です。

 一般的に,日本人が西洋風の絵画を描くようになったのは明治以降のこととされています。明治時代の初期といえば「文明開化」と称して西洋の文物が盛んに取り入れられた時代ですが,いわゆる洋画についてもその時代に日本に普及し始めたというのが一般的な捉え方でしょう。無論,この捉え方は正解です。
 しかし厳密に言うと,それ以前の時代の日本では西洋風の絵画が制作されていなかったわけではありません。古くは安土桃山時代,南蛮貿易の時代にキリスト教とともにヨーロッパの文物「南蛮文化」の一つとして日本に紹介されましたが,そちらは禁教や鎖国によって途絶えてしまいました。しかし江戸時代中期以降に今度は蘭学の一環として再び西洋画の技法が紹介され,それまでの日本には存在しなかった遠近法や陰影法などの技法を用いた「洋風画」と称される絵画作品が多数制作されるようになっていました。このうち遠近法については浮世絵などにも取り入れられ「浮絵」として広く普及しています。一方の陰影法は日本ではあまり好まれなかったようですが「そのような描写法がある」という知識自体は大勢に知られていました。そうした江戸時代における洋風画の普及が明治以降における洋画の導入に一役買ったと考えることは,決して突飛な発想ではないでしょう。

 今回,そうした「明治以前に日本で描かれたヨーロッパ風の絵画」を一堂に集めた展覧会が開催されるということを知りました。こちらの「洋風画という風」という展覧会では,比較的注目されることの多い江戸時代の洋風画はもとより,南蛮貿易華やかなりし時代の仇花のような作品についても取り上げられているということで,僕としては興味津々です。僕は勉強不足で存じ上げなかったのですが,この展覧会を開催する板橋区立美術館は「歸空庵コレクション」という洋風画のコレクションを管理しているのですね。今から20年前にも同じような展覧会が開催されていますが,今回はそこに「新たに寄託された作品を加えた」ということで,更に興味深い展覧会になることが期待出来ますね。
 板橋区立美術館の公式サイトを観ると,なるほどヨーロッパ風だと感じさせられる安田田騏の「象のいる異国風景図」のような作品もあれば,よく観ると画題も西洋風だし遠近法も用いられているものの一瞬「それは普通の水墨画じゃないの?(。・о・。)?」と感じさせられる司馬江漢の「西洋風景人物図屏風」のような作品もあり,洋風画といっても西洋風一辺倒ではなかったことが判ります。画家たちが今まで習得して来た伝統的な技法と新規の技法とをどのように調和させて作品を生み出したのか,鑑賞を通じて色々と考察することが出来そうです。

 板橋区立美術館は東京の区部ではかなり西の方に位置し,同じく区部であっても東側に住む僕の家からは正直少々遠いことは否めません。しかしこれほど興味深い展覧会が開催されるのであれば,そんなことは問題にならない。僕はそう思っています。2024(令和6)年5月3日から6月16日まで開催されるこちらの展覧会「洋風画という風」,是非お邪魔して考察を深めたいと今からとても楽しみに感じております♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪



板橋区立美術館で「洋風画という風」展が開催。2024年5月3日(金・祝)〜6月16日(日)
https://itabashi-times.com/archives/itabi202405.html

歸空庵コレクションによる 洋風画という風 ―近世絵画に根づいたエキゾチズム―
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/4000016/4001836/4001845.html
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