mixiユーザー(id:8729247)

2024年04月28日12:09

105 view

映画「陰陽師0(ゼロ)」

そして清明と博雅はおともだちになりましたとさ、めでたしめでたし。
…という話でした。

ねぇねぇ。
衣装が気に食わないんだけど。
男性ものはわりと歴史通り。
「おかみ」が冠になんかはめてるのがおかしいけど、
あれもまあ、「物忌み」のときだって言えばそういうことだしね。

女性の衣装、あれ、なんかなぁ。
今、「光る君へ」であの時代の衣装がわりときちんと出ているでしょ。

主人公まひろは下級とはいえ一応貴族の娘だから
あんなに簡単にほいほい街中に出ていいんかい!って突っ込んでいるけど、
街中に出るときはきちんと「切り袴」という短いのを履くし、
宮中のお姫さまがたは足が見えない長袴をひきずっているし、
身分の高い女性は「五つ衣(衣装を重ねたもの)」だけ、
その下は「五つ衣と小袿(五つ衣より一回り小さい、布地も豪華)」、
その下はきちんとした「五つ衣と裳唐衣」(宮中の清少納言が着ている重そうなやつ)
ってのもまったくその通り、衣装の歴史通りですがな。

もちろん「陰陽師」自体が日本の歴史そのものか、って言われたら
違うけどね。
でもまあ、安倍晴明は実在したし、時代と場所は借りてるわけだし
監督さんの夢もわからないではないですけど、もう少しその
なんとかならないですかね?

長袴の色。年取った女子はあずき色(海老茶というほうがわかりやすいか)。
これ、おかしいのよ。
緋色の袴は「ケッコンした女性」の印だからさ。
母上の袴は緋色じゃないとダメなの。
伊勢の斎宮は「神様の嫁」なので緋色でいいんだけどね。
あと宮中に出仕するようになった女子は未婚でも緋色。
いつお上のお手付きになるかわかりませんから。

長袴は、今の女子が卒業式に着る袴と違ってスカートじゃない。
「下履き」の意味がある、股の別れた長い太いおズボンなわけですが、
今ともうひとつ違うのは、かなり胸高に着たっていうこと。
雛人形の「三人官女」がけっこう胸高に着てますよね。
この映画でも「かなり胸高」というか「キャミソールですか?」なぐらい
袴を引き上げてますけどまあ、嘘っていうほどでもない。
問題は袴の下に白い小袖を着てないってこと。
五つ衣の下にいきなり袴の胸元で首は素肌が見えてて、
五つ衣を脱ぐと両肩丸見え、夏の海辺のお嬢さんみたいになってしまう。
おかしいって!
あれじゃ五つ衣の首もとだの手元だのに垢がついちゃうじゃん。
五つ衣はいったん重ねたらそのまま脱ぎ着して洗濯もしない。
あの衣装で出歩くわけじゃないから汚れないのですけども、
体から出る皮脂はあるので、それを五つ衣につけないための白小袖。
これは着替えるし洗濯するわけ。

後ろから見るときちんと「裳唐衣」「小袿」に見えるのにねぇ。
もと斎宮の芳子さまが五つ衣の上に来ている、裾が分かれた上着は
「細長」ですな。
姫君は裳をつけないから後ろ姿がさみしいので、
ながーい裾をつけて、切れ目を入れて下の衣装も見せる、という便利な上着。
源氏物語にもよく出てくる。

それから「博雅」の人選。
染谷将太は嫌いじゃないけど、もとの原作に
「博雅は顔がごつごつして目が大きくて落ち窪んで」とあって
「とてもじゃないけどあの時代の美男子ではない」と描写されてる。
岡野さんの漫画もその通りの「どんぐりまなこ」に作画されてる。
今回の人選は「色白ふっくらおちょぼクチ」で平安美男になってます。
しかも、冠にいつもお花刺してるの。バカみたい。
バカなくらいまじめではあるけどね。

映画としてはなかなか迫力ある画面でしたよ。
金の竜、炎の竜、水の竜が空中を飛び回るのがすごかった。
晴明がお上直属の陰陽師になるところで終わるので、
もしかしたら続編があるかもしれない。
10 10

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2024年04月>
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    

最近の日記

もっと見る