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2023年09月23日11:04

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「仰ぎみるような」シベ7・・・センチュリー定期

スケール感横溢するシベ7。満足。

大阪 ザ・シンフォニーホール
センチュリー第275回定期演奏会
飯森 範親指揮 日本センチュリー交響楽団
(コンサートマスター 荒井英治)
ヴァイオリン:神尾 真由子/ピアノ:高橋 優介
カンチェリ:タンゴの代わりに
ヴィトマン:ヴァイオリン協奏曲 第1番
(ソリストアンコール パガニーニ「24のカプリス」より第24曲)
カンチェリ:弦楽オーケストラ、ピアノとパーカッションのための「SIO」
シベリウス:交響曲 第7番 ハ長調 作品105

終演後、「こんなマニアックな演奏会に来てくださってありがとうございます」と飯森さんに言わしめたプログラム。まあ確かにそうかもしれないけれど、ぐすたふ君にとってはこういうプログラムこそ定期らしい定期だと思います。

シベリウスの前に並べられた3曲については、実はあまり言うことはない。最初の曲は、タンゴのエレメントのパッチワークのようだし、2曲目は「絵に描いたような」現代曲で、さほどの感興を覚えるに至らなかった、というのが正直なところ。ただ、超絶技巧を駆使した濃厚なヴァイオリンの後(アンコールの方が聴き物だったかも)に、透明で透き通るようなカンチェリを聴くと、逆にこの作曲家の魅力が際立つような気がしました。

そこから引き続いたシベ7が、14型フル編成の拡大センチュリーでもって恰幅良く鳴る様は、さらに魅力的で・・・ここで見せる飯森さんの棒は、巨匠然とした大きな音像を描きだす。そこで僕の胸に去来するのは、「偉大なる何か」を遥かに仰ぎ見るが如きの想いで・・それを、「神」と呼ぶのか「自然」と呼ぶのか、はたまた「精霊」と呼ぶのかは人により様々かもしれないが、地響きを立てる背後の下降音型の上に聳え立つ最後のHーCの上昇には、まるで全身が痺れるような感覚を覚えました。

その中に、終演後の飯森さんが口にした、先日急逝した西村朗氏への想いが篭っていたとしても不思議はあるまい。この曲は、色々な「人」の「万感の想い」を乗せてくれる、不朽の名曲だなあ、と改めて思わされる、いい演奏だったと思います。
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