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2023年06月05日00:07

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読書日記と配信ドラマ鑑賞

写真は順に
*苦役列車/西村賢太(新潮文庫)表紙
*映画『レジェンド&バタフライ』(東映)イメージ画像
*Netflixシリーズドラマ「マニフェスト」シーズン4 (米)イメージ画像

苦役列車/西村賢太(新潮文庫)を読んだ。
第144回芥川賞受賞作で映画化もされている。
映画監督の 山下敦弘が「疒(やまいだれ)の歌」の解説で書いているが、2018年8月号の『新潮』対談で西村氏と言い合いになったという。
「どうしようもなくつまらない映画」「見る価値はない」などと西村氏自身の日記や他の取材で酷評していたかららしい。
これを知るとどうでもこの映画を観たくなるのは畢竟である。
さて、本の内容へ。
心の底からどうしようもない北町貫多の言動に呆れ果てる。
まさに私好みの私小説が持つ毒が横溢して期待を裏切らない。
こんな人とは生涯関わりたくないと思う貫多、いや西村の人物像である。
怨嗟と嫉妬にまみれて素面でも相当やばい、それでもかろうじて薄膜で覆われていた性格の歪み、自分可愛さが飲酒により取り払われ、苛烈に友人を罵る様は本当に醜い。えげつない。
そのどうしようもなさ、滑稽さに惹きつけられる。
常に金に困窮し、精は強く、実は一面スタイリッシュに見せたいという、見栄っ張りな部分も余すところなく描かれて、自らをあけすけにさらけ出す作家。
自己肯定するには、作家として世に出ることでしか望めず、だから喉から手が出るほど文学賞、特に川端康成賞が欲しいと正直に書いている。
そんな西村賢太という人は、極悪で下品な「寅さん」だと私は思っている。
「寅さん」のファンの方、すいません、「寅さん」はどこまでも可愛い人です、いい人です、はい。私は寅さん、好きじゃないけど。

アマプラで映画『レジェンド&バタフライ』(東映)鑑賞。
前半の野鄙な信長(木村拓哉)がいい。
威勢は良いが田舎者、洗練さのかけらも無いのがいい。
濃姫(帰蝶)演じる綾瀬はるか、気品と気の強さに魅入る。
まむしの娘は信長を戦略家に育て、やがて愛に行き着く。
明智光秀が家康を招いた宴席で信長に打擲されるきっかけの解釈が興味深かった。
音楽は佐藤直紀、なんか「風間公親」の挿入曲と似てるなと思って調べたらもこちらも佐藤直紀だった。

Netflixでドラマ「マニフェスト」(米)シーズン4・11話以降を鑑賞。
良かった、続きを待っていたのだ、これ。
空中で忽然と姿を消した航空機827便が、数年後にニューヨークに戻って来た。
機体と乗客全員に関わるミステリーがキリスト教の世界観を背景に進行する物語。
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