スペングラ―博士をつとめたハロルド・ライミスの死去。これを逆手とってオリジナルメンバーと次世代たちが活躍する本作は、 *1 前作への愛が溢れたベタな続編だ。
博士の娘でシングルマザーのキャリーと孫のトレヴァーとフィービー兄妹。一家は博士から相続した農場へ引き継ぐ目的でサマーヴィルの町へ向う。だがサマーヴィルはゴーストたちの襲撃にあう。
08年の企画立ち上けから、紆余曲折して実現した本作は、当初の構想どおり新世代へバトンを渡す。 *2 新世代の主人公は孫娘のフィービー。博士同様、眼鏡がアイコンの天才肌で中性的。マッケナ・グレイスがチャーミングに好演する。
観る人によってはオリジナルに依存しすぎだと感覚するかもしれない。本作は「1」の内容の再来だ。サマーヴィルはあの破壊神ゴーザの召喚を計画したシャンドア縁の町だ。シャンドアはゴーザ召喚をあきめていなかった。
この緊急事態に「プロトンパック」「ゴーストトラップ」「霊体を感知するPKEメーター」「バスターズ専用車両ECTO-1(エクトワン)」の復活をふまえ物語は展開。ゴーストバスターズ出動だ!
家族再生を描く本作は、キャリーと博士の和解の物語でもある。本作は「ゴーストが実在する設定」を上手く利用して、本人が娘に会いに来て、孫娘に力を貸す。この頂点の最後の場面は非常に熱い。*3
よいベタとは「観客が起きて欲しい/叶って欲しいと思う事が本当に起きる事」。本作はこれをはずさない。
※1 物語は劇中でスペングラ―博士が死亡する場面から始まる。
※2 2014年の撮影スタートの直前にライミスは死去。この影響で2016年にはスピンアウトで女性4人のリブート作品『ゴーストバスターズ』を展開したが興行はかんばしくなく今回の続編にいたる。ただ、それでもこれだけ本作の復活にこだわったのはやはり『ゴーストバスターズ』がアメリカ映画のアイコンだからだろう。
※3 「そうなるよな!」って感じだ。
※4 ベタなご都合主義でもいいのだ。問題は“それ”を見たい/読みたい/聴きたい/感じたい受け手を誘導していく導線のすえの結果だ。
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