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2022年02月05日13:20

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リヒャルト・シュトラウス「サロメ」を観る

リヒャルト・シュトラウスのオペラは
LPやCDなどで音だけ聴いていると
何がどう良いのか、わからないものが多い。

音だけ聴いてもわかりやすいオペラといえば
ベートーヴェン「フィデリオ」とか
ビゼー「カルメン」あたりだろうか。
「フィデリオ」はベートーヴェンが器楽的に
オペラを考えて作っているのがわかるし
「カルメン」はメロディも全体の構成もわかりやすい。

それに対し、リヒャルト・シュトラウスのオペラは
親しみやすいメロディのアリアがないし
曲の構成も明快でない。
そのため、CDなどで音だけ楽しむとしても
一度は映像を見て置く必要がある。

YouTubeでサロメの字幕付きがアップされているのを
見つけた。
サロメがレオニー・リザネック。
ヘロデ王がハンス・バイラー。
ヨカナーンがベルント・ヴァイクル。
1980年のNHKホールでのライヴである。
https://www.youtube.com/watch?v=G2VED30EM8g

音だけだと何回聴いてもよくわからないが
字幕付きの映像だと実に面白い。
特に、首切り役人がヨカナーンの生首を載せた
銀の皿を持って現れるシーンは、ヘロデ王の叫びとともに
実に衝撃的だ。

それにしても、サロメの7つのヴェールの踊りのあと、
サロメがヨカナーンの生首を要求し、
ヘロデ王が断るも、執拗な要求に屈するところの
シュトラウスのオーケストレーションの凄まじさは
言葉に表せないくらいだ。
20世紀に入って、オーケストラの可能性が
限界に近づいたような趣きがある。
サロメの作曲が1905年で、ストラヴィンスキーの
春の祭典の作曲が1915年である。
シュトラウスがいかに時代を先取りしていたかが
わかる。

CDで音だけ聴いて楽しむ場合、
ショルティやカラヤンの、アナログ時代の名盤もいいが
メータ/ベルリンフィルやドホナーニ/ウィーンフィルの
デジタル録音盤のほうが、オーケストレーションの
細かい部分が良く聴き取れる。
ドホナーニ盤は特に精緻で明快だ。

今回観たYouYube動画は画質も音質も悪いので
DVDが欲しいと思った。
ベームのオペラ映画が有名なので
これを購入しようと思っている。
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