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2021年11月21日23:51

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我が名を唱えよ 『キャンディマン』

キャンディマン。キャンディマン。
キャンディマン。キャンディマン。

キャンディマン。鏡の前で5回名前を読んで唱えた人を「キャンディマン」があらわれ殺しに来る。本作は92年の第1作を皮切りに以後続編2作が制作された「キャンディマン」シリーズのリブートだ。

シカゴに住むアーティストのアンソニー。スランプへと苦しむアンソニーは92年に赤子を誘拐して異様な最後をとげたヘレン・ライルの伝説を追いカブリーニ・グリーンを訪問。出会ったウィリアムから「キャディマン」の伝説を聞く。

勤勉なホラーファンなら「カブリーニ・グリーン」「ヘレン・ライル」「赤子誘拐」の時点で気付くだろう。 *1 そう本作は92年にバーナード・ローズが監督した「キャンディマン」直接の続編だ。

脚本は『ゲット・アウト』や『アス』で社会派ホラーを描くジョーダン・ピール。

作中で「キャンディマン」とされ白人警官のリンチにより殺害されてしまうシャーマン・フィールズは冤罪の黒人。この設定をふまえジョーダン・ピールは「差別」を背景に物語を展開する。

だが92年の第1作を鑑賞しているホラーファンならわかるだろう。そもそも「キャンディマン」の誕生には「差別」がからんでいた。*2

この怪物誕生の背後に潜む社会のゆがみをテーマアップした本作は「キャンディマン」のもうひとつの主題“継承”を描く。*3 ただオリジンよりホラー的要素を薄め。社会派ホラーとしてたのしみたい。*4


※1 そもそもこの感想を読みに来る時点であなたは“勤勉”なホラー・ファンだ。

※2 92年のオリジンのネタばれにも本作のネタばれにもなってしまうのでこれ以上はふれない。だがオリジンの背景は人種問題が両者の関係を破壊した悲恋であった。

※3 本作のキャディマンの“継承”は恐怖だけではない。キャディマンは長きに渡った「差別」の憎悪と歴史という社会的な暗黒面も一緒に“継承”する。

※4 オリジンはスラッシャーホラーに分類されるが、当時できたことは、現在ではとてもじゃないができない。とはいえゴア描写はオリジンより薄味で味気ない。
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