地味曲三曲。でもやっぱり、メインに置かれる曲にはそれなりの理由があります。
大阪 ザ・シンフォニーホール
センチュリー ハイドンマラソン HM.25
飯森範親指揮 日本センチュリー交響楽団
(コンサートマスター 後藤 龍伸)
サキソフォン独奏 田中靖人
ハイドン:交響曲 第69番 ハ長調 Hob.��:69「ラウドン将軍」
J.イベール:アルト・サクソフォンと11の楽器のための室内小協奏曲
ハイドン:交響曲 第71番 変ロ長調 Hob.1:71
ハイドン:交響曲 第74番 変ホ長調 Hob.��:74
「エステルハージ家後期」というサブタイトル。三曲とも、いわゆる「聴衆への迎合と実験」の時期に当たるもので、派手さはないけど、それぞれに趣向を凝らした面白さが聴ける曲。
その中でも、74番の4楽章のパッセージがすごい。後ろにのけぞりそうになる程、細かくかつ素早い移弦を強いられるもので、それがなんとも言えない緊張感を生み出し、テンションが高まっていく。これをしっかりと合わせるセンチュリーの能力の高さあってこそだが、ここでの祝祭感は、コンサートの最後にふさわしいものでした。
ただ、ほんとうにひさしぶりにコンマスに座った後藤さんのせいなのかどうなのかはわからないが、今日のセンチュリーは、時々出現する「ファーストよりセカンドの方が強い」状況(8型対向配置)。それが顕著だったのは、「ラウドン将軍」の二楽章まで。この曲は、アンサンブルの練度も今一つでガサガサ感があったのも残念。
とにかく、セカンドの最後尾プルトの音がガンガン聞こえてきたのには恐れ入りました。ここのセカンドは本当に上手いです。
コンチェルトは、飯森さんのサービス精神の表れだと思われるけど、個人的にはやっぱりヴォーン・ウィリアムズのチューバ協奏曲が聴きたかったなあ。イベールのこの曲、ちょっと違和感が・・演奏は極めて立派だったけれど。
追記:「ラウドン将軍」4楽章の、快速主題がヴァイオリン二重奏から次第に拡大していく様は、まるでプロコフィエフですね。プロコの才気とハイドンのそれが通底していることをまざまざと感じました。
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