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2021年03月19日17:32

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この熱演に対して野暮なことはいいっこなし、です・・・センチュリー定期

思いと想いと熱気、ここまでくれば、そのノリにどっぷり浸かるのが正解。

大阪 ザ・シンフォニーホール
センチュリー第253回定期演奏会
佐渡 裕指揮 日本センチュリー交響楽団
(コンサートマスター 崎谷直人)
ピアノ独奏 清水和音
べ―トーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」
ラフマニノフ:交響曲 第2番 ホ短調 作品27

のっけから、全体重をかけて唸る全オケのアッコードと、そこから爆発上昇するピアノ・カデンツァ・・・・あとは推して知るべし、オケはガンガンに鳴るわ、ピアノはガンガンに叩かれるわ、まさに「爆演」。その汗飛び散るかの如くの熱気は、まるでスポ根の汗と涙と根性。

この演奏には、素直に「すごいなああ」と感じざるを得ません。佐渡さんらしいなあ。

独奏者と指揮者ともにキャンセルになった代役、しかもギリギリ1週間前に決まったという尋常ならざるシチュエーション。しかも、こんな事でもない限り定期の指揮台に上ることはないであろう佐渡さんの登板。そりゃあ、みんな燃えるよねえ。

清水さんも、アンコールに英雄ポロネーズをガンガンに弾くサービスぶり。いやいや、これもすごい。

ラフマニノフも、こってりこてこての濃ゆい濃ゆい演奏。これもここまで来たら、どっぷりそれに浸からないと意味がない。踊る阿呆にみる阿呆、同じ阿保なら踊らにゃ損、であります。泣くところまではいかないものの、いい年の親爺が甘い甘い感傷にひたれたのは、そうそうない時間でありました。

その中でも、3楽章の旋律の歌いまわしはなかなか。ストリングス弱音の吐息のようなささやきから、全オケの号泣までを盛り上げる役者ぶり、さすがは佐渡さんです。これが、この人の人気の秘密なんだろうなあ。一般聴衆がどういう演奏を求めているのか、それを心憎いばかりに分かっているんですよねえ。

結構な入りの会場には、若い女性がいつもの3倍くらいいたんじゃなかろうか。ぐすたふくんの隣のセクションにも、普段見かけない着飾った女の子のグループが。いろいろ批判はあるかもしれないが、若い聴衆が聴きたいと思うようなプログラムと演奏、かといって決して媚びているわけでなく、クオリティは高く保たれた演奏、それが今求められているんだなあという思いを強くしたのでした。

そう思うと、やっぱり「豊中名曲」は秀逸な企画ですね。ストーリーが掲載されています。https://toyonakameikyoku.jp/story/



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