【読書ノート】
私だって、古書だけでなく新刊も読む。
この文庫本(ちくま文庫)、去年の4月刊だから、ワタシ的には、ぴっかぴかの新刊。
古代ローマの貴族ファルクスが書いた、奴隷のマネージメント読本。 じつは、古代史家が「なりすまし」で書いて、本名で解説をつけてるんだけど。
米国南部で行われた奴隷制が、古代の奴隷制とどう違うのかを、おべんきょしようと思って読んだ。
千何百年たっても、意外と変わってないんだよねえ。 人が人を所有物にして働かせるっていう制度の設計や実状は、そんなに変りようがないものなのかもしれない。
もちろん、違いもあるけどさ。 米国南部では、主人と奴隷が肌の色と容姿で圧倒的に分かたれていたこととか、ローマでは、主人と奴隷の間の関係に皇帝(つまり国家と法律)が介在する余地がけっこう大きかったみたいなこととか。
でも、奴隷はなぜ怠けるかとか、家事奴隷と農場奴隷(ヒップホップ用語でいえばハウスニガーとフィールドニガー)の境遇の違いとか、主人が女奴隷に手を出すのは不道徳ではなく、子どもを産ませて「ファミリア」内の奴隷という財産を増やすための経済合理的な行いだったのだとか、いろんな点で、めっちゃ同じなんだよね。
スパルタクスの乱についてもしっかり勉強したので、往年の名作映画(カーク・ダグラス主演)を観てみようかなと思ったりします。
ログインしてコメントを確認・投稿する