録画しておいた、大阪の読売テレビ制作の「平成紅梅亭」の東西若手落語家の回を観た。 面白かった。
○林家つる子「反対俥」
”女性落語家のハンディ”をほぼまったく感じさせないし、ギャグセンスも鋭い。 ただ、そのスポーツ選手並みのエネルギッシュな演じ方は、若いときしかできないよ。 年をとってどうなっていくのか心配、って余計なお世話?
○桂宮治「お見立て」
某公共局の早朝番組でもっと短い噺を観たときは、突き押し一本っぽい話し方とあくの強さに、少し引いた。 でも、この本寸法の廓ねたで、メインのストーリーに入ると突き押しではなくなり、うまさがわかった。 もっと売れたら、さらに大物感が出るんだろうな。
○桂華紋「河豚鍋」
安定、うまい。 下手をするとあと味が悪くなる噺(よくできた”奇妙な味”の短編といってもいい)を、一見ソフトな見かけと語り口を生かして、クレバーにこなした。 河豚を「試食」させられるおこもさん(乞食)が、”近所に住む男”というぼかした設定になっているのは、時代の要請? それとも、放送コードのせい?
○桂米紫「饅頭問答」
東京の「蒟蒻問答」を上方に移植したらこうなった。 全国のこんにゃくの9割を生産するという群馬がオリジナルの舞台なわけで、それを泉州あたりに移すのに、饅頭屋の親爺にご登場願わざるをえなかったというわけ。 蒟蒻っていうもの自体のユーモラスな印象が消えて、古手の落語ファンとしては違和感があるけど、それは慣れの問題だろう。 米紫さん、うまい。 文句をつけるとすれば、あんた、ちょっと色が黒すぎやしませんか、ってことくらい。
四人ともよく知らなかったので、観てすごく得をした気分になった。 東西八百人という数の方はややインフレ気味だけど、こういう人たちが次々出てくれば、落語の未来は決して暗くないと思う。
平成紅梅亭:
https://www.ytv.co.jp/koubaitei/?fbclid=IwAR27XfCPXzmLUS51NDW0mrFmt4qKdEB4p0TfF38BoBuf_8mpXiehZVGkGU0
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