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ソロ以降のジョン・レノンは
アルバムを順に聴けばわかるように
作品の質の低下、衰えがはっきりあらわに
なっている。
これは、ジョンの才能の衰えなのか？
そうではないと思う。
ジョンは、特にビートルズ解散後、
政治的発言が顕著になり、歌詞の内容も
平和を訴えるものが多くなった。
しかし、平和への願いを歌にすると、
どうしても一面的なものになってしまう。
「イマジン」を見てもわかるように、
彼の真摯な平和を求める歌詞が
「夢物語」「お花畑」的な、おめでたい内容に
感じられてしまうのだ。
（笹口騒音ハーモニカも「Sayonara Baby Blue」の中で
「イマジンなんて嘘っぱち」と歌っている。
そう思われても仕方がないのではないか？）
つまり、「イマジン」以降のジョンのソロ作品が
つまらないのは、
彼の才能が枯渇、衰えたのではなく、
「音楽と政治」「音楽で平和を訴える」等の
難しさに嫌気がさしたのではないだろうかと思うのだ。
ビートルズ解散後、単なるポップミュージックに転向した
ポール・マッカートニー。
暗いブルースをやめ、大会場で俗受けする、明るい
ロックバンドに転身したローリングストーンズ。
時代の変遷の中で、ジョンは孤立してしまったようにも見える。
そして1975年の駄作「ロックン・ロール」後、活動を停止てしまう。
しかし、生き残るため、金儲けのために
俗化するような道を選ばず、ひたすら
平和を訴え続けたジョン・レノン。
彼には大きな共感を覚えるのは自分だけではないだろう。
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ジョージ・ハリソンの「ライブ・イン・ジャパン」を
今頃になってはじめて聴いた。
1974年以降、ライヴ活動を一切行わなかったジョージが
エリック・クラプトンの勧めに応じて行った、1991年の
日本ツアーでの音源である。
エリック・クラプトンバンドの演奏は実に上手いし
ジョージのヴォーカルも絶好調だ。
今回のライブのために相当準備してきたことがわかる。
選曲はもちろんビートルズ時代の曲が大半だが
入念に考えられたアレンジにより、
ビートルズの曲が新たな魅力を獲得したような気にさせられる。
録音も抜群に良く、これはすばらしいライブ盤だ。
2013年にポール・マッカートニーが来日して
その時のライヴが大いに話題になったが
自分の耳には、
「老ポールのカラオケ大会」にしか聴こえなかった。
適当なアレンジ、軽々しいヴォーカル。
もうどうでもいい。
しかし、ポールがつまらなくなり、
ジョージの方が良かった、なんて日が来るとは
いったい、誰が予想しただろうか？
まるで、「うさぎとかめ」の話みたいだ。
ポールには、これ以上、晩節を汚さぬよう
切に祈るばかりである。
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