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2020年03月10日05:48

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タイムはどうなる、グループロシニョールの動き!

■タイムはどうなる、グループロシニョールの動き!

フランスのファクトリーで生産されていた、タイムスポーツ社のカーボンフレームやカーボンパーツや用品やペダルは、各ブランドの生産地がアジアに移行している中で独特の存在感があった。数年前にグループロシニョールに売却されて、タイムはどう変わるのかが注目されていた。

タイムスポーツ社の生産規模はもともとファクトリー規模で、1ロット200本というような規模で、中国のカーボンフレームの生産ロットが1000本とか2000本という規模とは比較にならない、世界一の生産規模を誇るジャイアントの1モデルの発注ロットは1万台とか2万台というオーダーだ。

コンポーネントパーツの発注量は20万セットに及ぶこともある。タイムとは生産規模がまるで違っている。タイムにも試行錯誤段階があって、販売量の拡大を狙って、中国のカーボンフレーム生産モデルをラインナップしたり、販売国の組み立て工場で完成車にして販売する戦略も採用したことがある。

中国生産モデルのカーボンフレームも、廉価版の完成車モデルも、数年で撤退が決まり、生産量というか、販売量の拡大には繋がらなかったようだ。30人規模のプロチームへの機材供給にはかなりの資金が必要なので、タイムスポーツ社の規模では無理があり、ツールやジロへ出場できるようなメジャーチームとのサプライヤー契約も途絶えてしまう。

タイムのカーボンフレームの製造工法は、カーボン繊維を成型したい形に専用の機械で編み上げて、熱硬化タイプの樹脂を編み上げたカーボン繊維に含浸させて、型に入れて熱処理しながら気泡を抜いて成型したカーボンラグとカーボンチューブを接着するRTM方式だった。

カーボン繊維を編み上げる手間もかかるし、含浸させた樹脂へのボイド(気泡)の残留の可能性もある、ボイドは強度にも関わる。肉厚のコントロールも仕上げも難しい、カーボン繊維の成型方法としてはクラシックで時間のかかる工法なのだ。

インスティンクトの登場で、前三角がセミモノコック製法に変わり、中国での組み立て部分が増えて、チェンステーやシートステーのRTM工法成型品とのミックスになっても、フランスでの最終製造工程を守っていた。

常に4モデルから5モデルのハイエンドモデルを生産しているブランドだった。グローバル規模の販売を考えると、フレーム素材はアジアの協力工場生産の度合いを高めて行ったが、小規模生産のカーボンフレームブランドと言えた。

タイムはフランスに拠点を置く、資本金4億3000万円のスキーブランドのグループロシニョールに売却されて、2年目にしてファクトリーのスロバキアへの移転が決定されて、生産ラインの移転や増設、生産方法のテクニカルな指導も行われて、2019年にはスロバキア生産モデルが入荷している。

スロバキアでの生産規模はフランスのファクトリーの2倍以上になり、技術移転もスムーズに進み、生産数も増えるし、生産スピードも効率化して、フランスで起こりがちな労働組合問題も解消できて、安定供給をできるようになると言われていた。

ロシニョールの傘下にはフェルトもあるし、スキービンディングのルックもある。ツールやジロに出場できるプロチームへの機材供給話しも噂されて、ブランドのアピール度も上昇すると思われた。もともと乗り味には定評があっても、ビジネスだから性能だけでは乗ってもらえない。

しかし、スロバキアへ移転して生産が始まったタイムのカーボンフレームの販売数が伸び悩んでいるという噂が流れている。グループロシニョールはある意味投資会社だから、投資した分なるべく早いリターンを望んでいること、ハイエンドモデルのみの生産というビジネスモデルとしての将来も気にかかるところだ。

タイムのカーボンフレーム製造部門はスロバキアに作ったものの、販売実績の先行きに不安を感じて、フレームの製造部門からの撤退の噂が上がっているという。と言うことはプロチームへの供給も無くなることになる。この、気になる噂の信ぴょう性を確かめようと思っています。


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