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2019年10月02日02:08

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稽古に没頭して写真撮れない…やっと読んだ小説

写真は順に
*又吉直樹「劇場」新潮社文庫・表紙
*まじんプロジェクト第4回公演「リヤの三人娘」チラシ

まず最初に
リヤの三人娘の稽古が始まってるんだけど
全然稽古場の写真撮れてない。
なんでか。
稽古に没頭しすぎて写真のこと、これっぽっちも頭に浮かばないから。
他に、頭の方こそ出てないけど、途中から出ずっぱりで写真を撮れる状況じゃないこともある。
毎日が戦い、自分との。
疲れてるはずなのに頭が冴え冴えとして夜、眠くならなくて困る(笑)
そんな中、久しぶりに小説を読んだ。

又吉直樹の劇場

デビュー作にして芥川賞を受賞した「火花」の結末は気に入らなかったが、こっちはラストでまんまと泣かされた。
時間潰しに入ったドトールで涙をこぼしてしまった。
鼻水まで垂らしてしまった。
主人公の劇作家兼演出家の不器用な生き方に相当イライラさせられ、到底共感できずに読んだが、まさかラストでこんなに胸が締め付けられるとは思わなかった。
貧乏演劇人の主人公だが、そうは言っても実際にある下北沢の駅前劇場で作品を公演しているわけだから、設定上では私より確実に格上の演劇人である。
俳優としてではなく、作・演出で参加しているわけで、プロデューサーからのオファーがあったとは言え、それはもうステータスはある程度あるということになるからね。
そういうとこ、設定的に正直ちょっと引いた…
これが駅前劇場じゃなくてOFF OFFシアターならもっと説得力を感じたんじゃないかな…ま、いいけど。
好きな道に進んだはずなのに創作で行き詰まるしんどさ、ストレスで隣人を巻き込み、知人が出版した本の猛批判が止められず、自分をコントロールできないで、小心であると同時に想像力過多で情熱が空回りする。
ものすごく不安定な演劇人・永田。
今、私の周りに居る小劇場界隈で活躍する演劇人に、そういうタイプは実はあまり居ない。
私がそういうタイプとソリが合わなくて、自然と私の方からボツ交渉にしているせいで周りに居ないと思っているだけかもしれないけれど、この本の主人公・永田はイメージ的には昭和の演劇人っぽい。
地方から上京した若き演劇人たちなら一様に共感する部分は少なからずある。
そしてものすごく負のイメージがデフォルメされた演劇人の永田、心がいつも満身創痍の彼が、最愛の彼女に贈る言葉は泣けた。本当に泣けた。
この恋に未来はないだろうから、きっと報われないだろうから、だからこそ美しいと思って泣けた。

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