先日も触れたが
今シーズンのプロ野球は世代交代というか
時代の変わり目というか
そういう潮目を迎えようとしている気がしてならない
2011年の「統一球」による
「飛ぶボールが実は飛ばない」事件の年も
実は西武の中村剛也は一人、48本塁打をかっ飛ばしていたわけで
「飛ぶか飛ばないか」の極意というかメカニズムは
実は反発係数だけではない事も知らされていたのである。
この件はさておき
まずはセ・リーグの打率ランキングである
完全に大成した鈴木誠也がトップに並び
同じくタイは今季覚醒した中日の高橋周平である
高橋は残念な事に骨折による離脱中であり
近いうちに規定打席不足でリーディングから外れてしまう
※以下、記録は7/28は試合終了時点
1 鈴木 誠也(C) .319
1 高橋 周平(D) .319
3 大島 洋平(D) .315
4 坂本 勇人(G) .310
5 丸 佳浩(G) .307
6 亀井 善行(G) .305
7 ビシエド(D) .304
8 糸井 嘉男(T) .303
9 青木 宣親(S) .300
10.筒香 嘉智(BS) .298
昨年のシーズン終了時のリーディング10傑に居なかったのは
このうち高橋、大島、丸、亀井、糸井の5名であるが
丸と糸井は昨年の終了時打率と同等かそれ以下の成績で
上位に食い込んでいるのであり
高橋と亀井が大幅なジャンプアップ、
大島は例年指定席のこの位置に帰ってきた感じである。
上位に大きな変動が無く、中位以下に大きな変動があるのであるが
ここではスペースも時間も限られているので省略させて頂く
ともかく、セ・リーグ打率上位を見ただけでは
大きな変容を感じ取る事は容易ではない。
これが打点になると少し分かりやすい
打点は
1 坂本(G) 69
1 村上(S) 69
3 ソト(BS) 67
4 ロペス(BS) 64
5 鈴木(C) 62
6 ビシエド(D) 61
7 バレンティン(S) 59
8 大山(T) 56
9 バティスタ(C) 55
10 丸(G) 54
これが今年の顔ぶれである
巨人の主砲だった岡本が11位と惜しい圏外に居るが
山田(S)、筒香(BS)、マギー(G)、アルモンテ(D)が圏外である
マギーに至っては引退してしまい、山田と筒香は12位、13位と
これまた惜しく圏外である。(アルモンテは長期離脱があった)
これが意味するところは
上位陣に新しく食い込んできた「新顔」が居るという事である
特筆すべきは、
打率は低いがチャンスでは打つ高卒2年目の村上(S)が
大ブレイクの気配を見せている事と
ここまで頼りないばかりだった未完の大砲・大山(T)が
ほんの少しだけ気配を見せている事だ。
昨年は8月に急に打ち出して、9月に急に失速したが
ポテンシャルの高さは証明できたはずで、
今季はその一端を見せるに留まっているが、本当のところはどっちか分からない。
ブレイクと言えば、広島の第3の外国人だった筈のバティスタが
開幕スタメンすら外していたのに
ほどほどに活躍して上位に食い込んでいる点である
投手陣については
ハーラーダービーで確認しよう
1 山口 俊(G) 10
2 今永 昇太(BS) 9
2 柳 裕也(D) 9
4 菅野 智之(G) 8
5 大瀬良大地(C) 7
5 ジョンソン(C) 7
7 大野 雄大(D) 6
同 床田 寛樹(C)、ロメロ(D)、メルセデス(G)、フランスワ(C)
2018年終了時は
1 菅野(G) 15
1 大瀬良(C) 15
3 ガルシア(D) 13
4 東(BS) 11
4 メッセンジャー(T) 11
4 ジョンソン(C) 11
7 ブキャナン(S) 10
8 山口 俊(G) 9
9 岡田 明丈(C) 8
9 九里 亜蓮(C) 8
9 小川 泰弘(S) 8
といった具合だったから、順当な部分もあったし
波乱もあった事は見て取れる。
昨年、終盤に怒涛の完封での連勝を重ねて
「菅野無双」と呼ばれた菅野は今季も折り返し過ぎたあたりで8勝と
まずまずのペースだが
昨年は防御率2.14で自責点が48だったのに対し
今季は防御率3.97で自責点は既に42。
かつての「無双」と呼ばれた男の影もない
大瀬良も調子は不安定であるが、チーム状態が昨年までのカープではないので
勝ちが稼げないという事情はある。
一昨年のチーム最多勝だった薮田、その前の野村、
その前年はメジャーに移った前田健太であるから
例年エースを使い潰すか放出している事になる。
その中でコンスタントに活躍しているのがジョンソンだと言える
また、イニングイーターとして名を馳せたタフマン、
阪神のメッセンジャーも毎年勝ち星上位の常連だったが
今年は遂に負けが込んでしまい、ランク外である。
阪神に移籍したガルシア、
開幕直前で怪我をした東、
昨季後半から調子が上がらないブキャナン辺りが
ランク外に陥落し、
今季新たにローテをゲットした床田、
新しいドラゴンズのエース・柳、
復権した大野雄大、今永が上位に返り咲いている
敢えて述べるまでも無いが
続けて好成績を収めるのは
投手、それも先発の方がかなり困難である事は明らかである
ではクローザーを見てみよう
昨年の顔ぶれは
1 山崎ヤスアキ(BS) 37
2 石山 泰稚(S) 35
3 中崎 翔太(C) 32
3 ドリス(T) 32
5 田島(D) 15
6 カミネロ(G) 11
7 マシソン(G) 8
これが
1 山崎ヤスアキ(BS) 22
2 ドリス(T) 19
3 中川 晧太 15
4 鈴キンブレル 14
5 石山 泰稚(S) 10
6 中崎 翔太(C) 8
7 Rマルティネス 7
と、こう変わるのである
因みに、ドリスは離脱中で
鈴木は防御率4点台でクローザーに疑問符がついており
石山は体調不良で中継ぎで再出発を図っている
中崎はいつかこうなるとは思っていたが
とうとうなっちまった、という感じ
ここで思うのが、やはり登板過多傾向が
クローザーについては強すぎるという点である
必ずしもセーブが付く場面で登板するとは限らないが
それにしても登板数の半分もセーブが付かない状況というのは
本人の調子が悪いか登板過多のどちらかである
これでは40セーブを挙げるのに
90試合も100試合も登板する計算になるので
酷使以外の何物でもない
従って、余程安定して成績を残す選手以外は
基本的に脱落していくのがクローザー相場である。
この傾向を顕著に表すデータは
パ・リーグを例にした方が分かり良いか
とにかく
波乱の原因がセ・リーグも同様で
中継ぎ〜抑えの不安定 or 打撃の世代交代による進化
どちらかにあるのではないかと
僕は強く感じているのである
以下は別稿にて
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