mixiユーザー(id:12669625)

2019年05月26日15:12

164 view

映画日誌「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」

 イギリスは、日本ではどうしても一つの国と捉えられがちだが、実は昔からイングランドとスコットランドは仲が悪く、戦争も続いていた歴史があり、これにはカトリックとプロテスタントの対立、またアングロサクソン、ケルトの民族問題も複雑に絡んでいた背景がある。
 この映画も、こうした歴史的な背景をある程度知っておいた方が良いかもしれないが、予備知識無しだと、観る前は、二人の女王の覇権争い、女の戦いがテーマかと思いきや、実は男の政治的陰謀に翻弄される悲劇の女王の物語と言うわけで、やはりこの時代はヨーロッパでも女性は道具として扱われていたのか、というやるせなさも余韻として残る。
 結婚、王位、子どもの出産など、女性の喜びを経験しながら、最後は悲劇の結末を迎えるメアリー女王を演じる シアーシャ・ローナン の演技がやはり見もの。
 天然痘に侵され、女性としての幸せは見いだせなかったものの、長く女王として君臨したエリザベス女王との対比も見ものだが、日本では丁度新しい時代が始まったところだけに、王とは?、国としてまとまるには?、国民の君主への敬愛とは?というものも改めて考えさせられる映画で、結構タイムリーな公開だったのでは?
★70点
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する