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2018年12月05日17:05

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PCの手持ちの風呂敷の中身を

GMに遊んでもらえるというのは
ありがたみ半分恐縮半分。


土曜日は央華封神、悪太郎氏GM。リクエスト、キャンペーン本編に関わらない話、PCで遊んでもらう感じ、うーんそれっての巻。



いつもならD&Dやれそうなメンツだったものの
お久しぶりに(どこかで)央華やりたいという声があったらしく
ロングキャンペーン中ながら、メンツ不十分でもできる単発シナリオを挟んでいく形に。


旅の最中に、
仙人たちがたどり着いた邑は、
見るからに異様な光景。
在住の人々すべてが「二人に増えて」おり、
その主張するところのほとんどは正反対ながら、ぴったりと距離を放さず暮らしている様子。
当然食い扶持は倍。しかし、労働力も倍。
かと思いきや、「二人目」が耕した畑は、なんだか陰気に汚染されており、作物が育たなさそう。
この「二人目」がそもそも、なにか陰気の塊で出来ているような……。


人間の寿命管理を仰せつかっている天界の派遣役人など、
「ふぇぇ、寿命の帳簿が何回計算しても合わないよぅ」と
幼女の姿ながらブラック労働おじさんが中に入っているとしか思えないセリフを半泣きで漏らしており、哀れを誘います。


家畜、動物の類はやはり二つに分裂しており、
虫や植物は増えている様子は無し。
人間に近い生活形態部分は何かと考えると、
うーん、やはり、食事か、生活用水か……?


実際、いつからそうなったと聞けば、
村に消化器系の流行り病が出回ったころと合致するらしく。

土地神様にそのあたりのことを聞きに行っても、
なんと土地神様まで二人に増え、方針の違いからつかみ合いのケンカをしている有様。


水源を調査しに行くと、村に引かれている河にはちょっとした魚妖というか長虫みたいな陰性生物が散見され、「アニサキスの妖怪なのでは?」と冗談めかして言われるのですが、
いや実際、そういうもののキャリアーになれるものは一定以上の大きさの脊椎動物に限られる気もします。


上流の大きな湖にたどり着けば、
禿頭の妖怪が下半身丸出しにして
「ええい、人間ども!安易な乱獲我慢ならん!俺の〇〇〇でみんな死ねい!」(ヒコロウ漫画風に)と


……まあ、
水生生物の排泄物なんぞむしろ多少なら水を富ませてくれるものでもありますし
そうしたヤツが妖怪化した相手ならまあ時代も時代だ、必要以上に気にする必要はないでしょうが
絵面絵面!


とはいえ、なんでも寄生虫が妖怪化したこの湖の主である彼、
つまり「自分の子供」を人里が苦しむほどに放出しているらしく、
発展とともに魚の乱獲を行うようになった人間たちに、土地の河伯として警鐘を鳴らしているのだとかなんとか。

村長、
土地神、
河伯の話を総合すると、


・入植してきた人間が土地を開発、魚を取りすぎる
・川の生き物たちは困るのだが、入植初代世代からして「その手の動物と戦争してでも生きる場所を得ようとする」方針をとってきちゃった
・寄生虫の河伯さんは一年に一回子供を河にたくさん放ち、人々の腹をダメにするというか食い破ったりさせて対抗する
・その病を解消する「仙人」が村を通りがかり、治してしまった
・だが、その副作用かなんかで、「住民が二人に増えた」。

ということらしい。

このあたりを村長に聞きに行ったPCひとり、
振る舞われた薬草茶を口にしたあたりで、


彼も増えます。


なるほど、「寄生虫の宿主」であること、「その治療の薬物を摂取する」こと、
この二つがそこそこ絡み合って「二人目」が出来上がっていると。
乱暴に解釈すると、「虫下し」で「外に出るもの」が「二人目」になるとして、「虫と一緒に体外に出ているもの」が副作用として働いてるのかな?


とかく、その術式を用いた人がどうやら普通にこのあたりに居を構えており、
その場所を見つけ出すことに成功します。

仙人が作る仙境にしてはあまりにインスタントな洞窟と最低限の隠蔽。
その奥には、香が炊き込められ、なんかの生き物の骨やら皮やらいろんな薬草やらが壁に下げられた、怪しげな空間が……


あっこれ左道士だ(独学で仙術を行う仙人じゃない人たち)。

と、見当をつけたあたりで

炊き込められた香がまた薬の一種なもので
のこりのPCたちも増えます。


・最初に増えた美少年の変化仙の「二人目」
→視線とセリフからセクハラばかり飛び出してくる毛むくじゃらのおっさん。「可愛くなりたかったんだよ、な」「Vtuberと同じ闇しか感じない」

・酒を愛して止まない長嘯仙の「二人目」
→酒を飲む以外に自分にアイデンティティ、キャラ立ちがないとやさぐれにぐれて酒を煽り続ける自分「酒を辞めたらあたしなんている意味ないんだろどうせ?」「そんな事言うなよ飲もうぜ―!」

・自己修練と強い宝貝に目がない、高体格火行仙の「二人目」
→「体の一番長いところ」が2mあるという記述を曲解して各部位が不安定に伸び縮みする怪物「風路を燃やすというのはどうでしょう?」「なるほど……!」

・形式的な倫理を諦めない、口うるさい系風水仙の「二人目」
→自分を特別視して、他者の倫理道徳に見た目沿ってないところを罵倒する高飛車さん「皆己を顧みる事もせず、まったく堕落した集団だこと、特別な私を見習うべきだわ」「アー若い頃私こうだったかもしれない」


PCの設定を拾ってサービスしてくれたのだろうか?
というよりは、
のん兵衛さんはとりわけ本当にそれでキャラアイデンティティを押してきてたので
それっぽいものを専用に用意されたそうですが、
基本的には、PCたちが持っている洞府の五戒を邪専用にコンバートし、
それによってキャラ性を「新作」したそうで、
つまりPCたちの普段の言動・行動を「濁業側から」行おうとするとこうなるだろうという
どちらかというとそういう「特定のルールに則った思考実験」。

とはいえこれは面白い。
何がって彼らとお話してるとずるいくらいその時間が「立つ」ので
気を付けないとシナリオすすめらんなくなっちゃう。

これが結構、「自分の隠された一面」というほど自分ではなく、
しかし「自分のまだ見ぬ可能性」の一部と思える程度には符号性もあり、
話していて面白いのですね。

何が恐ろしいって


「二人に分かれた」ことによって、全技能が二分の一になってしまったことだけれど!


……

ここにすむ左道士に、仙術の一段目を教えたと思しい師匠クラスに渡りがつき、
このお師匠さんのお話も踏まえて、ここで活動している左道士の人物像を固めていくと、

・元は仙人を目指していたが、途中で才能のなさから挫折、野に下った
・その洞府は「気功法」で高名
・下界に去ったのち、独学で仙術っぽいものを学び、とうとう己の仙術の才ではたどり着けなかった不老に手を伸ばし、「屍解仙」となった
・「己の生気を練り黄金と化し、己の存在そのものをも不滅の黄金と化す」ような教えをかじり終えていた彼は、
・「他者の生気を練り喰らうことで、滅する定めの己の存在を延命する」者となっていた

・けどまあ、その村は泊めてくれたし、虫下しの術は普通に善意で教えたのだが(左道士なので濁業が欲しいとかいうわけではない)
・何分独学、こうした副作用が出てしまうことは想定外だったと。

・しかし、そこは左道士。村のためにもなったとはいえ、もとより「気功丹のために学んだ身外身(自分の気を、自分みを持たせたまま練り上げていき、”人一人分のエネルギーのある”丹として丸め上げたのち、それを飲むことで、合計二人分の気を手に入れるみたいな)」。こうなったのだったら、偶然とはいえそうして出来上がっていく人々の「分身」を自分で食べれば効率よく寿命を延ばせるじゃない、という屍解仙というか屍鬼の面目躍如なことも考えつくので……


という流れに。

PCのやることは、

・ボスのもと師匠に、「分身」の治し方を教わる
・人間と水棲生物の間を取り持つ
・ボスを倒す

というあたりでしょうか。
成し遂げれば、大成功を得たところでございました。
ボスめは「分身の術」→「自分の部下か分身を食ってパラメータがすげえ上昇する」というルーチンを繰り返して、手が付けられない強さになりかけましたが、腹がこなれると元に戻っていくという術でもあり。超強化状態で千日手になりかけたところで
停戦交渉などしてきたのですが、呑まなくてよかった(次のターンから弱体化が始まった)。



しかしてやっぱり、
今回のギミックとしては「一定のルールに則って作られたPCたちの分身が出てきた」所が印象に強い。すごい楽しい。

「お前、普段からそんなこと考えてたのか」「まさかあ……あれ、ほんとに全然違っても言えば言うほど言い訳になる」

みたいなやり取りはやはり強い……。



NPC化したPCのロールプレイをGMがやるみたいなのは
私も何回かやったことありますし、悪氏に身内PCをお助けキャラとして登場させてもらうこともありますし、他GMではアンクィス氏のカオスフレアなんかが思い出されますが、
これやりがいもやられがいもあります。理解と不自然の間の行き来が楽しい。
ただ、信頼のおけるところで、ルールなどをしっかりと公平に適宜した線引きというかコンセンサスも必要ですし、
これを「楽しい」と呼べる環境には多分一定の条件がいるんですが、


何で一定の条件がいるって、
「何を拾ってもらったか」について、「PCの中から出てきているもの」にスポットが当たっている必要があるからです。
例え、キャラシーに書いてあるルール通りの文言だとしても、「GMの設定の下に作ったPCの設定」じゃなくて、「PCの設定をもとにGMが作ったNPC設定」というのが……。
なんて言うんだろう、やっぱり難しいなあ


これもまた受容・理解とかシナリオ構築への他動的貢献とかいろいろセンシティブなところに話突っ込むことになりかねないんですが、
要は「PLの手持ちのものが今回の娯楽になっている」のがミソです。
間接的にはいろいろあっても、
とりあえず「100%GMが持ち込んできた娯楽ではない」ことに、
少し恐縮を感じてもしまう。

構造上「GMのしたいこと100%」にはならないギミックポイントに
娯楽性を感じるというのは、
「PC」と呼ばれるものが「GMの望んだ仕事を」するというゲームに置いて
どう健全性を確保するかということについて
ここひと月ほど悩みが強く。


PLとしては「自PCをいじってもらわないとGMの用意だけじゃ楽しめないの?」
GMとしては「PLのしたいことさせずにGMのしたいことやるだけで参加者楽しいの?」
この折り合いがつかない。偶然が両立させてくれることはありますが、7割ヒットの偶然じゃ3割落とすんですよ。


今回はホント「そういうギミック」だから両立しているともいえるんですが、「そういうギミックのないシナリオ」ってどう参加するの?というのもまた浮き彫りになったような気がして。
PLたちの悪乗りでGMのやりたいこと消しちゃったサタスペの時と、どのくらい違うんだろう。
楽しいことは楽しいんで、すごく楽しかったのですが、
結局、ヒロインPC問題にもつながる
こういう「PL発信の展開」を要望したり楽しんだりする権利がPLにあるんだかなんなんだかみたいな
若人みたいな悩みが普通に尽きない。うーん。

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