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2018年12月10日21:13

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都響第868回B定期@サントリーホール

冬来たりなば春遠からじ、というわけでもないのでしょうが、日本列島冷え込んだ今日、
春を題材としたコンサートです
すなわち、シューマンの交響曲「春」とストラヴィンスキーの「春の祭典」
この取り合わせは既に今年の三月に音大オケフェスで準メルクル氏がやっています
そのときはドビュッシーの交響組曲「春」を合わせましたが、本日はメンデルスゾーンの
フィンガルの洞窟で、この曲は春とは無縁ですが(と思います)、尺の関係でしょう

本日の都響首席客演指揮者のアラン・ギルバート氏がNYフィル時代にやったプログラム
なのかな

ギルバート氏の指揮は、こう振ったらこういう音楽が出て来る、という振り方で、事実
そういうausdruckが生まれてきます
決して指揮を見せるための指揮ではなく、かといって交通整理の無機質なものでもない
練習のときに楽団員に要求したことが、本番の指揮で実現しているという印象です
それはまた、ギルバート氏と都響の「相性の良さ」の表れでもあると思います

フィンガルでは波を模した音型が強く・弱く、それは遠く・近くにも聞こえ、心地よい
安らぎを醸しだします

シューマンの春は、若書きで、勢いに任せて書き上げた感じがしますが、飽きさせない
面白さがあります
ギルバート氏は指揮台に乗って、「ため」を置かず、すぐに振りだしましたが、そのせいか
冒頭の金管のファンファーレがちょっと「びびんちょ」になったのは惜しかった
もちろん、すぐに気を取り直して最後の追い上げなど、興奮させました

演奏終了後恒例の楽員紹介で、第一楽章にしか出番のなかったトライアングル奏者に
オヴェイションを受けさせたのには微笑んでしまいました

ここまでは暗譜でしたが、「春祭」はさすがに譜面を置きました
メルクル氏もそうでしたが、やはり客演となるといかに相性が良くても万一ということが
あるといけませんから(変拍子と不規則なアクセントの連続ですので)

譜面を見ながらとは言え、前半はバーバリスティックに、後半はシャーマニスティックに
思う存分ドライヴを掛けて、最後は夢から覚めたように終わる
静寂の後、大喝采となりました(当然の如く)

ギルバート氏はカーテンコールの最後に、楽団員を全員回れ右させてPブロックの
聴衆に挨拶を送っていましたが、これはクリスチャン・ヤルヴィ氏(パーヴォの弟)もやって
いたことで、そのサーヴィス精神には感心します

カラヤン広場にはクリスマスツリーが輝いていました




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