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2018年11月04日03:58

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北陸・東北地方に縁ある日々でした

写真は順に
*コメディオンザボード・シアターΧ提携公演「花咲く家の物語」チラシ
*柳田国男「新版・遠野物語」(角川文庫)表紙
*恩田陸「常野物語・光の帝国」(集英社文庫)表紙

花咲く家の物語
この作品は今回が最終公演となるそう。
生前、マルセ太郎さんが交流した知的障害者のための施設「若草の家」(「若人の家」として実在した)は、障害者にも人としての責任を学ばせ、喜びを感じて生かしたいという強い信念で夫婦が育んだ私設のグループホーム。
杉田家の家族と共に生活する6人の若者たちは公的な施設より自由度が高く生き生きしている。
だから時々はみ出し、持て余す個性もあるのだけれど、マルセさんの脚本がすごいのは、そんな彼らの言動に対して観客が素直に笑うことができるということ。
知的障害者を演じる役者を観て嫌味なく笑う、笑わせるというハードルの高い作業を、脚本と共に演じる百戦錬磨の役者たちが支え、可能にしている。
また健常者の何気ない言葉が根本的に差別的な見解から来るものだということを改めて知らされて、ふと我が身を振り返ってしまった。
マルセさん役の松元ヒロさん、本日も楽しませていただきました。
大久保洋太郎くん、「春男くん」役、お疲れ様!
前説のアナウンスもめっちゃ面白かった、あんな前説初めて聴きましたわ。

ワケあって柳田国男の「新版・遠野物語」(角川文庫)を読んだが、これは岩手県遠野郷に伝わる民間伝承の膨大な記録文書であった。
119話の聞き書き、付属の拾遺集に至っては299話もある。
読み進むに連れて、もはや真実と信仰の境が茫洋として見分けられず。

タイミングよく読んだもう一冊は恩田陸「常野物語・光の帝国」(集英社文庫)。
「常野」は「とこの」と読む。
「遠野物語」にインスパイアされて書かれた小説らしい。
東北の常野地方でひっそりと育まれた特殊能力を持った人々への迫害の歴史と、未来へつながる序曲とも言える現代に生き残った常野の民の物語。
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