去年、テルデックから出ている
クナッパーツブッシュ指揮のワーグナー「パルジファル」が
イマイチだったことをきっかけに
非正規で出ている、クナのパルジファルをいろいろ
聴き続けていった。
1952年(ヴィントガッセン、メードルほか)
1954年(同)
1958年(バイラー、クレスパンほか)
1960年(同)
いずれもCD4枚組、4時間半かかる超大作である。
もちろん、正規盤で出ている1951年、1962年は
何回も聴いている。
そして、とんでもない名演を見つけた。
ワーグナー:『パルジファル』全曲
ハンス・バイラー(パルジファル)
マルタ・メードル(クンドリー)
ジェローム・ハインズ(グルネマンツ)
エーベルハルト・ヴェヒター(アンフォルタス)
ヨゼフ・グラインドル(ティトゥレル)
トニ・ブランケンハイム(クリングゾル)、他
バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団
ハンス・クナッパーツブッシュ(指揮)
録音:1959年、バイロイト祝祭劇場
前奏曲から、オケの響きが深い。
響きに余裕があるのも、超大作にふさわしい。
第1幕に入ると、オケの響きも、より表情豊かになる。
登場人物の苦しみ、アイロニー、怒りを
深く反映した表現を聴くことができる。
「お経のような」といわれる第1幕前半でさえ、
退屈せずに聴くことができる。
第1幕の舞台転換、第2幕のパルジファルとクンドリーの2重唱、
そして第3幕の聖金曜日の音楽。
いずれもかつてない大きな感動を受けた。
キャストはメードルを除くとイマイチだが
かえって、クナッパーツブッシュのチームとして
よくまとまっている気がする。
録音はモノラルだが、1950年代のバイロイト物としては
非常に良い。
この曲は、クナッパーツブッシュ以外だと
ブーレーズ、ショルティ、カラヤンなどを聴いた。
合計して、10種類以上の演奏を聴いてきて、
ベストはクナッパーツブッシュのこの1959年か
ステレオ録音の1962年かのどちらかであろう。
この、1959年盤があまりにもすごいので
名演とされている、1961年と1963年を聴く気が
なくなってしまった。
1961年盤はすでに買ってあるのだが。
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