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2017年11月06日22:59

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やっぱり、大阪ってすごいかも・・・・帝国ホテルの音楽會

こんな機会、もう一生ないかもしれない。よく、みつけたなあ、しかも今日になって。

大阪 帝国ホテル大阪4階チャペル
第320回帝国ホテルの音楽會
~チャリティーチャペルコンサート~
マーラー歌曲集「子供の不思議な角笛」
メゾソプラノ 廣澤敦子
バリトン 藤村匡人
ピアノ 長谷智子

ぜえぜえいいながらやってきた桜ノ宮。初めて入る素敵な空間。そこで歌われたのは、全部で16曲。

1.ラインの伝説 〇 (MS)
2.誰がこの歌を作ったのだろう? 〇 (Ba)
3.この世の生活 〇 (MS)
4.魚に説教するパドヴァの聖アントニウス 〇 (Ms)
5.高き知性への讃歌 〇 (Ba)
6.少年鼓手 ● (Ba)
7.美しいトランペットが鳴りひびくところ 〇 (Ms)
8.惨殺された鼓手 ● (Ba)
(休憩)
9.むだな骨折り 〇 (Duet)
10.塔の中に囚われし者の歌 〇 (Duet)
11.春の朝 ▼ (Ba)
12.夏の交代 ▽ (MS)
13.ハンスとグレーテ ▼ (MS)
14.もう会えない! ▽ (Ba)
15.原初の光 ◎ (Ms)
16.別れて遠ざかるものは ▽(Ba) 
(アンコール)?(喧嘩別れの歌らしいが、マーラーの曲かどうかは?)

自分の勉強のために記号を付けてみたのだけれど、〇と●をつけたのが、最終的な連作歌曲集「子供の不思議な角笛」の歌曲。そこから10曲が選ばれているのがわかる(歌われなかったのは、「歩哨の夜の歌」と「不幸な時の慰め」の2曲)。●は後から独立して作曲されたのちに追加されたもので、初版には交響曲第2番「復活」の4楽章に転用された「原初の光」(◎)と、交響曲第3番の5楽章に転用された「3人の天使がやさしい歌を歌う」(今回歌われず)があったらしい。(交響曲第4番4楽章になった「天上の生活」は当初含まれていたが、出版の曲集にはふくまれずに至る)。

今日の第2部では、歌曲集「若き日の歌」に収録されたものから抜粋されてきたものが含まれていて、▼の2曲が「若き日の歌第1集」からで「角笛」の歌詞ではないもの(1880-81:マーラーが20歳のころの作品)。▽の3曲が「角笛」の歌詞に作曲した「若き日の歌第2集/第3集」9曲からの抜粋。

今回一番驚いたのは、12番目に歌われた「夏の交代」で交響曲3番の3楽章そのまんまが聞こえてきたとき。昔読んだ解説には載っていたのかもしれないが、すっかり頭からは抜けていたので、ちょっとびっくりしましたね。

それをはじめとして、「聖アントニウス」を聞いた瞬間にすううっとその向こうに「復活」の3楽章が立ち上がったり、「原初の光」で「復活」4楽章のオーケストラがエコーしてきたり、「この世の生活」で10番の3楽章が、「少年鼓手」で5番の1楽章が、「惨殺された鼓手」で7番の2楽章が・・・・ふううううっと・・・などなど、目の前にある音楽と、その背後にあるものとが行きつ戻りつして僕の意識の中に立ち現れるという経験は、今まで経験したことのないもので、大変興味深かったです。おそらく、意識的にそういう曲を選曲しておられるのだろうなあ、とは思いました。

男声と女声が、おおよそ代わり替わり歌うというスタイルは、やはり「大地の歌」をその遠くに感じるもので、ラスト2曲目に「原初の光」を持ってきて、そして「別れ」の曲で終わっているのも、それを意識しておられますね。

廣澤さん、藤村さんの歌唱は、不必要なビヴラートを排し、ストレートで気持ちのいい響きをチャペルの中に朗々と鳴らして見事でした。でも、バリトンの素晴らしい朗々とした響きをもってしても、マーラーがメゾソプラノの声の中に込めた深い音楽を凌駕できない、ということを身をもって感じたのも興味深かったです。

いい経験をさせていただきました。たまたま目にしてはせ参じた演奏会、僥倖にただただ感謝。

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