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2016年09月09日17:20

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今に引きずる戦争の傷

最近、義母をセンターに連れて行く時に乗るハンディバンの運転手、ジョージから、いろいろな話を聞きます。彼はフィリピン出身なので、フィリピンの歴史とか、言語とか、私の知らないことをいっぱい教えてくれるのですけど、数日前、こんな話をしてくれました。

第二次世界大戦中、フィリピンは日本軍の占領下にあって、日本軍は、フィリピンの農村の食料を盗んだり、婦女子をレイプしていたりしていました。

そんなある時、新婚間もない夫婦の夫は妻が日本兵に陵辱されるのを恐れて、彼女を深い森の中に小屋を建て、そこに彼女を隠して村に帰りました。ところが、しばらくして、その小屋は、日本兵に見つかってしまったのです。日本兵は、この妻を陵辱しようとし、妻も、逆らうと殺されると思い、抵抗しませんでした。そして、日本兵が、小屋に通ってくる日々が続いたのです。しばらくすると、この妻は、ずっと夫から離れていたこともあり、その日本兵との情交を密かに楽しんでいる自分がいることにも気づきました。

しかし、それから間もなく、夫が迎えに来ました。彼女は、自分の身に起こったことを夫には言いませんでした。いえば、夫は逆上して日本兵を探しに行き、結局は殺されてしまうことが目に見えていたからです。

やがて日本軍は撤退し、夫婦は村に帰りました。が、妻は自分が妊娠していることに気がついたのです。これが夫との間の子供なのか、日本兵との子なのか、わかりませんでしたが、生まれた男の子は、日本人のような顔つきをしていました。彼女は、この男の子に「マス」という名をつけました。日本兵が褥の中で、「アイシテイマス」と言ったその言葉の意味はわからなかったけれども、音だけは覚えていたので、その最後の部分を取ったのです。夫は、自分に全然似ていないマスを、自分の子と信じて疑わず、「この子はおじいちゃんの親戚の誰それに似ているね〜」と言ってかわいがっていたそうです。マスの後、この夫婦には子供ができなかったので、マスが日本兵の子であることは間違いないと、妻は確信しました。

それから月日が経ち、マスは成人して、ハワイ出身の女性と結婚し、母親とともに、ハワイに移住しました。そして、現在、老境に入った母は、息子に、出生の事実を話すべきか、とても苦しんでいるのです。

この話は、2年ほど前に、ラジオのフィリピン人向けの番組で放送された、妻ご本人が語った人生相談だそうです。

なんとも壮絶な話です。戦争はまだ終わっていないのだな、と説明できない重苦しい気持ちになりました。

文章がヘンかもしれませんが、ちょっと時間がないので、読み直さずこのままアップしますね。
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