mixiユーザー(id:366862)

2016年08月17日12:14

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ゲームの起源ってのは探せばあるもので

ちゃんと知らなかったんですが
ナイトメアハンターはルーツを追っかけると相当話題が広くなるゲームなんだなあと。
根っこまでチェックするとドリームハンターにリンクが飛ぶのか…

エンゼルギアみたい…なのとはまたちょっと違うか。
あれはほとんど作者の抱えネタですしね。

つうかな今でも展開してるじゃねえかドリームハンター。



土曜日はナイトメアハンターディープ、悪太郎氏GM。我々の夢見る先が未来か、未来人の夢見る歴史が我々かの巻。


ナイトメアハンターの「夢」とか「悪夢」、「ドリームイメージ」などの定義は
ルールブックの中ではそれほど強くされておらず、
見当たるところでは、人間以外のものも夢を見ることが説明されております。
植物や道具、鉱物なども「夢」を見、悪夢に憑かれたり、ドリームイメージを持ち得たりすることもあるようです。
他人の夢の中に入って悪夢を解決するナイトメアハンターたちは、
つまりそうした非動物・非生物・なんなら非存在と夢を共有することすら可能であり、
世界観内におけるラスボス「金と銀の眼の男」は、「神の見る夢」に接続する事に成功しており、
それを通じて世界全土に何らかの影響を及ぼしえた、という大事件が過去設定として存在するくらいです(今なお、神と夢を共有しえたその男の活動が、多くPCたちが立ち向かう事件に繋がっています)。

集合無意識の向こうに、非生物との意識の共有さえあり得、「神」とやらに到達することもできる。
しかし、そのための入り口である「夢」や、「夢」を利用して現実を改変してくる「悪夢」、ないし「ドリームイメージによる超能力」という形で同じく超現実的な現象を起こせるハンターといった現象の原理の説明は、
驚くほどされていない。

となると、今度はGMのストーリーライターとしての手腕に、
その原理の分からない現象を、しかし説得力をしっかりもって、
どこまで広げられるのだろうというあたりの設定力が含まれてきます。


今回我々の前に現れた「悪夢」は、「未来人の見る過去」。

20年後の未来から、「過去を見る能力」を使い、
ドリームイメージ……「夢の中の自分の姿」だけをタイムスリップさせて現代にやってきた、
という少女。

しかし、「ドリームイメージ」は、例えばPCたちがハンターの力を使って現実世界に具現化しても、
「普通の人には見えません」。同じナイトメアハンターか、夢の力をふるえるものにしか見えない。
なので、「彼女の姿は、PCたちにしか見えない」。


彼女は、ただこの「20年前」を見に来たと言います。
人の姿で、天真爛漫な様子の彼女からは、どうも彼女が「ナイトメア」である気配を受けにくいのですが、

しかし、「彼女がやってきた夢」――
完全に廃都市と化し、色を失ってモノクロームの情景となりはてた、20年前はPCたちが住んでいただろう未来の町から、
手を振りながら、そこだけ色がついたようにパステルカラーの服を着た、目立つ一人の少女が駆けてくる
――を、最初にPCたちが観て以降、

町の南を流れる川には1メートルほどのピラニアが宙を舞って人を襲い、
ランニング中の野球部員がそれを打ち返すのを日課にしている、
などの「現実の悪夢化」が着々と進んでいる。
関係がないはずがありません。


しかして、
悪夢化の発生源になっているナイトメアは、
人間の「心の闇」から生まれ、それに取りつくもの。
その中心となっている人物のココロに寄り添い、あるいは暴き、あるいは読み取らなければ、
解決することはできません。


とりあえず、
過去見物に来た彼女と、JKPC3人で一学期の最後と夏休みの始まりを満喫していってみる流れに。
信頼を深めつつ、彼女がどんな環境で暮らしていた人なのかを聞いていきます。


それによると。
20年後の日本はちょっとしたディストピア。
「金と銀の眼の男」のもと、
悪夢とそれを使う能力は普遍化され、
皆心の闇と「折り合いをつけないまま」に、各々の望む「悪夢」の中で主に暮らし、
現実世界は荒れ放題。
都市は朽ち、空は曇り、人々はその生活と悪夢を管理されているそうです。

悪夢に対抗できる力を持つナイトメアハンターは危険視され、
隔離ブロックで軟禁生活を送る限りだとか。


そんな中、図書部員のPCが、「未来の彼女が書いた本」を図書室から発見します。
内容は、
「悪夢によって成り立っている未来の世界が、過去の邪悪なナイトメアハンターの活動によって歴史を改変され、消えかかっているところを、一人の少女が立ち上がり、過去にタイムスリップしてナイトメアハンターたちの凶行を止める」
というもの。
発見したPCが「書物の精霊を呼ぶ能力」を使ってみると、
その本に語られる、これから発生しそうな悪夢が、予言めいて映像化されるではありませんか……。


驚くのもつかの間、最後の授業の終了のチャイムとともに、
「これで いちがっきはしゅうりょうしました がっこうはこれでなくなります がっこうはおわります」
と本で描かれた現象がさっそくおき、
未来の世界の汚れた海を予感させる黒いタールのような水が放送室を中心に広がり始め、
悪夢に取りつかれた生徒たちがPCたちに襲い掛かってきます。


しかし、それでも
「未来人」の少女は事態に無自覚なようです。
そればかりか、
この「現代のわれわれの日常」を破壊する悪夢に、ともに危機感を持ち、力を貸したいとまで言ってもらえました。


どうも、
「未来、破壊された日常を、しかし日常として生きている」という矛盾性が、
現代をむしばむ悪夢と、日常を守りたいという心の2面性を発生させているということのよう。


一度学校を襲った悪夢を退け、
次いで子の悪夢が「地域に根差す」タイプのものかどうかを知るため、
ちょっと海岸まで遊びに行きます。
結果、そちらにはそれほど「悪夢」は発生しない様子。
彼女を中心にっ時間とともにということではありながら、ううん、彼女自身「未来のわが町」に住んでいる人なのかな。

水族館にてイカやカニを見て満足し直帰しようとしたり、
財力の高いPCによる強力な場所取りを駆使した海水浴、花火を満喫し、
スモッグのため未来にはなくなってしまった星空に、マツタケ座やマツタケモドキ座を見出し教えて行き、
交友を深めたところで、「未来人の手掛けた悪夢の物語」の話を引き合いに出してみます。
その書物の「精霊」を彼女の前に呼び出してみたところ、

やはり相反する二つの顔を持つ「ナイトメア」であったらしく、
本来難しいはずの「もう一人の自分」との対面に、思い出すものを思い出してしまった彼女は、「瞬間移動する能力」で我々の街に帰ってしまいます。

急ぎ帰路につくと、わが町は大規模な悪夢化に見舞われており、
まるで色のない「未来の廃都市」になりかけている。


たまり場にしていた神社に赴くと、巨大なキノコが、悪夢として我々を出迎える。
20年後の未来では、知名度区が発見されて食用禁止になったマツタケ…
フルーツのような香りを出す完璧超人と化した巨大なキヌガサタケ……
我々の時代には考えられず、未来のどのタイミングで発生してもおかしくはない「存在しない未来」。

これらを退けても、
そもそも「ドリームイメージ」だったっぽい彼女の姿は見受けられません。
普通、ナイトメアハンターは「夢を見る本体」と「本体から離れて動く悪夢」の二つに対処し、
現実世界で悪夢を退けた後は、「本体」の夢の中に入らなければならないのですが、

今回はその本体が見当たらない……!


というところで、地域支部長的な「オーサー」と呼ばれる役職にある犬が、「彼女に縁あるもので、現実に物体が存在するもの」の関連性を問うてきます。

未来の彼女が書いた書物。

その本が観ている夢なのか、
未来の彼女が観た夢が、その本にしたためられているのか。

とにかく、
現在と未来と、我々の夢と彼女の夢をつなぐ道は、
どうやらこの本にありそう。



ということで本の中にドリームダイブ。
この本は、確かに夢を見、
描かれた通りの事象を、現実世界に具象化しようとしていたようです。

ナイトメアハンターは戦闘中に「弱点」をつけるゲーム。
リサーチが十分であり、あるいは対象の心をしっかり掘り下げて必要な物品やワードを聞き出せていれば、
それを提示するだけで敵の「形態」をバキバキと即死させていくことができます。
悪夢を脱する契機を与えてあげるんですね。

モノクロの世界に、これが自分の世界だと自嘲気味に笑ってたたずむ彼女に、
天真爛漫で、我々と笑顔を共有していた彼女が来ていたパステルカラーのパーカーを着せてあげ、

何重もの、どこにもつながっていない扉の前でへたり込む彼女に、
「行きたいと思う扉の向こうの道」、「同じ未来を望んだ証(彼女も一緒に映ったプリクラなど)」を見せてあげ、

最後に、
「悪夢に支配された未来の守護者」として敢然と立ちはだかる彼女と、
PCたちは相対します。

……後で聞いたら、GMいわく「今後の未来に至るまで絶対ナイトメアに負けないという意思の証明」が弱点だったので
ガチ喧嘩かそういう「悪夢になんて絶対負けない!」みたいなロールプレイが通ればよかったそうですが
その
これは偏見ですけれども
悪太郎GMの、退散ギミックのある敵に、
不用意にそのギミックを使わずに挑んで、数値的な活躍をさせるとPCはどうしようもなくなるイメージもあり、
ギミックがなんであるのかとみんなで四苦八苦。
とうとう、
「彼女が手掛けた未来の本」の内容を、現代と未来の対立ではない統一ハッピーエンドに書き換えたものを出して、
その本の「精霊」を呼び出すことで、悪夢としての彼女を上書きするような現象をムリくり起こし、納得してもらいます(使ったリソースは普通に戦闘するのに匹敵する量でしたが、”ラスボスと戦闘する”量よりはきっと少なかったに違いない)。


五年後に生まれてくるはずの彼女。
我々は、ナイトメアになど負けないという誓いを、その時まで破るわけにはいかないのです。



……………


実は個人的に、
このナイトメアハンターにおける「弱点を提示する」行為にそこそこ苦手意識があります。

悪夢を具現化する怪物を生むほどには心の闇が深い人物が相手であることが前提なので、
(実際のゲームとしてそんなことはないという説はありますが)
「根っこに近いところを提示できていながら、しかし解釈の違いからニアミス」をすると
精神状態が悪化するのではないかというイメージが強いのですね。
いわゆる、「わかったような口を利く」状態というか。
必要な情報が7割分かった状態で、残りの3割を外すと、まさに「わかった風になる」。
心の奥底には触れながら、しかし一番無遠慮な触れ方になり、防衛のために過剰な攻撃反応が返ってきてしかるべきなのではないかという恐れがぬぐえない。
しかも、その3割は主観を越えた「深層の心理反応」に寄るものであり得るので、対話では情報を出せていなくて当たり前、みたいな。

かといって、ブレカナみたいに
「理論的に構築した自分の倫理を信じて」行為をするのは、また危険な気もします。

感情・本能論をもとに理性との軋轢で出来ているはずの「他者の心の闇」に対して「自分の正しさ」を貫くというのは、
感銘を受けさせられればちょっとしたブレインウォッシュを起こす効果が期待できるわけですが、
「その決断ができていれば苦労しない」ような現状が「心の闇」の種になっていることは少なくないので、
単にそれが「味方をしてくれない者」としてカウントされれば、それを遠ざけるための心の壁……「ナイトメアウォール」は厚くなったといわれても文句が言えない。

しかし、もちろん
「現在の自分を否定し、導いてもらいたがっている」例も多く、
当たり障りのない同調論でなだめすかしたところで、多くは効果をなさないでしょう。


ナイトメアハンター達は「意思が強い」。
「悪夢に侵されない」意志の強さがあるから、ナイトメアハンター。
その時点で、
「悪夢に負け、侵されてしまうくらいの心の強さの人間」から見れば、「持てるもの」です。
この嫉みに負けないくらい、序中盤で信頼関係を築いて置いて初めて、
言葉が通るようになる……

のでしょうか?
難しいところです。

…………
別に、
ゲームである以上、
つまり「クリア」という楽しみを共有するためにあるギミックなんだから、
他のゲームでやるのと同じ説得行為をしていくことでいいんじゃないの、というのはあるかもしれませんが、
まあ、んん、なにしろせっかく「心の闇」というものを完全にメインに扱うというゲームですから、
「他と同じで」というおおざっぱさでまとめちゃうのも、こう。

もうちょっとデリケートさを伴ってもいいというか、
シナリオ次第でいつそうなっても不思議じゃないというか。
そうであってほしいというか。



しかし、逆に言えば、この「心の闇」を倒すシステムはゲームとして完備されている。
言葉を選ばずいえば、デリケートな扱いしようがすまいが、
「弱点」は大体突破ワードが設定されており、
殴って倒しても、ワードを言ってもクリアできるわけで。

「寄り添い」行為がどのように効果を示すのか。あるいは示しすぎてはいけないのか。
「突破ワードを聞き出すための寄り添い行為」という限定された行為を
もっと重視というか神聖視すべきなのか。



このあたりに、
実のところ、


「ナイトメアって、どういう心の闇に憑くのか」
「そもそもどういう存在なのか」
「本人と、”たたいて壊すナイトメアウォール”は同じものとしてみる意味はあるのか」
「本人に同情するとして、ナイトメアに同情する描写はハンターとして適切か否か」


という、
実は世界観に根差した「行動の正当性」の構築ができていないことに考えがいたります。

なんというか、行動論としては、
ある種の「精神疾患者」に対するノウハウを用いないとヤバイ、という危機感が必要なのかどうか。(例えば”ガンバレ”は絶対ダメ、みたいな)
というところに落ち着いちゃうんですが……。



ぶっちゃけ、
「殴って壊す」行為によって、悪夢が破壊されれば、
悪夢によって引き起こされた悲劇や、宿主の「肥大化した心の闇」は払しょくされちゃうし、
「苦い結末や悲劇的なエンディングは推奨してない、全部治る」ってルールブックに書いてあるくらいですから、
「もしかしたら必要以上に傷つけてしまうかも」みたいな考えは必要ないのかもしれませんが、

ここでまたナイトメアと宿主の混同があれば「あいつを殴りたくない」みたいなことも起きちゃいますし(それをドラマの種として、”だから弱点つくほうでやろう”と全員のコンセンサスをとる手段にできているなら文句はなしですが)。



と、こうして考えたときに、そのイメージの一助になるのはやはり「公式」。

ディープの前にあった無印ナイトメアハンターの話題やらを追っていくと、
普通にその筋ではちょっと高名な「ドリームハンター麗夢」が浮かび上がってくる。

なるほど、版権の問題で分裂しただけで大本はそっちなんだ。


80年代序盤からあったOVA(最初期版のみアダルト向けで、面白かったために一般向けに上がってきたんだとか)で、
ビキニアーマー系主人公(当時の美少女キャラデザインの最先端を担い、どうやらビキニアーマーというトレンドを定着させたキャラの一人なのだ!)が悪夢に挑んで、人の精神をむしばむ触手とかと戦いながら街と人々の平和を文字通り「取り戻していく」……

あ、この方向性だとナイトメアは全然「敵クリーチャー」だわ。

きちんと見たことあるわけじゃないですが

「彼女はそんなこと望んでない!お前は偽物だ!」とか
「お前が無理やり絶望させてるんじゃないか!」とか
「彼女の精神を自由にしろ!お前のおもちゃじゃない!」とか
「もう大丈夫。君をいじめる悪夢は、私が切り払う」とか
「杜綱の体から出ていけえええ(違う)」とか

そんな感じのこと言い放って触手の束に切りかかっていく方向でいいのでは。


「しかし、悪夢は人の心から生まれる。人ある限り、悪夢は無くなりはしないだろう。ハンターの戦いは終わらない…」
がお決まりになるカンジで。

だからこう、
「心の闇≒ナイトメア」というより、
心の闇から生まれた「子供」ないし、
やっぱりエサにつられた害獣としてナイトメアがいる系の……。

あるいは、
ただ敵というのでなく、
そうであればこそ「固有の意思のあるナイトメア」とかをどう考える、みたいな
思索のとっかかりにすることもできるかもしれないし……。


…………

まあ、ナイトメアハンターの方は完全に分化した世界観ですし、
とりわけ「ディープ」に版が上がって、心理風景の描写などにより力が入ったこともありますし、
集合無意識とかそういうのを考慮に入れて深みを増させることも醍醐味ですので
ドリームハンターとイコールにしちゃうのはもったいないのでしょうが、
ある種の考え方、とっかかりの一つとして頭の片隅に置いておいてもいいのかも。


まあルールブック読んだ感じだと
「イド」とか「エゴ」 とか「スーパーエゴ」とか「エス」とかの心理学用語で関係性をつくって
主観がないけど動機はあるとか
その逆とか
自我すらないけどエスから発生した性欲動と攻撃性だけで出来てるとか
だから足らない部分を別途補おうとするとか
そういう解釈していくのが結構なんちゃって理系としては楽しめそうなんだけれども。



あとはなんだ
アルファシステムの
「あしきゆめ」「精神寄生体」とかと関連付けてみてもいいかもですが……。



といった関係性のありそうな世界観を挙げて
「悪夢との戦い方」の攻略本を探そうとするタイプのゲーマーですどうも。
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