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2016年03月08日01:31

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忘れ難い演奏家ふたり

 クラシック音楽を聴き始めて半世紀以上の時が経った。つい数日前、古楽のパイオニアだったアーノンクールが亡くなったが、彼の衝撃的なヴィヴァルディの『四季』をレコードで聴いたのも37年も昔のことだ。

 この半世紀あまりの間には多くの名演奏家がこの世を去った。その殆どは録音でしか知らない演奏家だが、中には幸運にもライヴ演奏に接し、忘れ難い思い出となっている演奏家が二人いる。

 そのひとりがレナード・バーンスタインだ。1961年ニューヨーク・フィルハーモニックを率いての初来日演奏会を落成したばかりの東京文化会館で聴いた。曲目はストラヴィンスキーの『春の祭典』だったが、その音響の凄まじさと指揮するバーンスタインのかっこ良さに目を奪われた以外何も憶えていない。まだたった15歳だったのだから当然だろう。尚、その時副指揮者として同行したのが弱冠25歳の小澤征爾だった。

 バーンスタインは1990年10月14日72歳で亡くなった。若手演奏家育成のためのプログラム、パシフィック・ミュージック・フェスティヴァル(PMF)を札幌で開始した僅か4ヶ月後のことだ。

 クラシック音楽を聴き始めたばかりだったあの時、オーケストラの凄さを強烈に焼き付けたバーンスタインは忘れ難い演奏家第1号となった。

 二人目はヘルベルト・フォン・カラヤンだ。カラヤンの来日公演は2回聴いただけだが、録音されたものは数限りなく聴いてきた。カラヤンこそクラシック音楽の水先案内人だったといって良い。

 彼が1989年7月16日、私邸でソニー社長の大賀典雄と面会中急死したのは良く知られるところだが、密葬の後その死は公表された。殆どの演奏家は死後日が経つにつれ徐々に忘れられていくものだが、カラヤンにそれは通用しないようだ。それだけカラヤンという指揮者が人々に愛されてきたという証拠だろう。

 バーンスタインとカラヤン。アーノンクールの死が自分にとって忘れ難い演奏家は誰かと思い起こすきっかけを与えてくれた。
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