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2016年03月07日13:19

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アーノンクール逝く

 ニコラウス・アーノンクールが3月5日亡くなった。享年86歳。昨年12月引退表明したばかりだった。

 アーノンクールといえばバロック・ブームの立役者。

 70年代の終り、手兵のウィーン・コンツェントゥス・ムジクスと録音したヴィヴァルディの『四季』がその火付け役だったといって言い過ぎではないだろう。

 そのラジカルともいえる演奏表現は、それまでイ・ムジチ、ファサーノ指揮ローマ合奏団、ミュンヒンガーが名盤とされる穏やかな『四季』の世界に切っ先鋭く切り込むものだった。

 それに先立つこと10年前、ネヴィル・マリナーとジ・アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズの録音が登場した時も、それまでとは全く違ったサウンドに驚かされたものだが、アーノンクールのそれは比較にならない過激な演奏だったのだ。

 当時発売されたLP(テレフンケン盤、キング・レコードf発売)には、ニコラウス・ハルノンクールと表記されているのが時代を感じさせるが出てくる音は強烈だ。

 その後、バロック音楽のみならずロマン派の交響曲、オペラ作品にまでレパートリーを拡げ数多くの録音を残したが、彼らしい新鮮なアプローチは変わることがなかった。

 ブルックナーの交響曲などそれまでの誰からも聴けなかった解釈で、ブルックナーが苦手な自分にとって心地よく聴ける唯一の演奏である。
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