最近はそれ程でもないようだがタンゴは日本人にとても好まれる音楽だと思う。アルゼンチンに誕生したタンゴはヨーロッパに渡り所謂コンチネンタル・タンゴとして市民権を得た。
コンチネンタル・タンゴはアルゼンチン・タンゴのある種野卑な部分を削ぎ落とし、より洗練された音楽としてタンゴを生まれ変わらせたと言って良い。
日本でも昭和の初め頃からコンチネンタル・タンゴは高い人気を博することとなった。バルナバス・フォン・ゲッツィ、マレク・ウェバー、ハリー・ホーリックなどの楽団が続々とタンゴのレコードをリリースした。
それは残念ながら自分の生まれる前の話なのでリアルタイムに聴くことは出来なかったが、今も僅かながらCDで聴くことは可能だ。
コンチネンタル・タンゴの録音が盛んだったのは1950年代から60年代初めにかけて。レコードはLP時代に入り、それまでとは比べものにならない鮮明な音で楽しめるようになっていた。
今回CD-Rに入れた録音で最も古いものはバルナバス・フォン・ゲッツィ楽団が30年代中頃に録音した『碧空』、最も新しいものは90年代にリチャード・セディン楽団が録音した『タンゴ・ブリランテ』で半世紀以上の時間差がある。
1 真珠採り(リカルド・サントス・オーケストラ)
2 碧空(バルナバス・フォン・ゲッツィ・タンゴ・オーケストラ)
3 マグダレーナ(アルフレッド・ハウゼ・オーケストラ)
4 夜のヴァイオリン(モートン・グールド・オーケストラ)
5 奥様お手をどうぞ(マランド・オーケストラ)
6 ヴィオレッタに捧げし歌(ペーター・クロイダーのピアノとオーケストラ)
7 モンテカルロの一夜(エンリケ・フランチーニ・オルケスタ・シンフォニカ)
8 オレ・グァッパ(カラベリ・グランド・オーケストラ)
9 幻想のタンゴ(ティト・フジ・オーケストラ)
10 カチュール(アルフレッド・コレンソ・オーケストラ)
11 ミリタリー・タンゴ(フランク・プゥルセル・グランド・オーケストラ)
12 ヘルナンドス・ハイダウェイ(アーサー・フィードラー/ボストン・ポップス・オーケストラ)
13 ジェラシー(マティアス・エッシュバッハー/オーデンセ交響楽団)
14 エクスタシー・タンゴ(ユーゴー・ウィンターハルター・オーケストラ)
15 月下の蘭(パーシー・フェイス・ストリングス)
16 ラ・クンパルシータ(アンリ・ルネ・オーケストラ)
17 バラのタンゴ(マントヴァーニ・オーケストラ)
18 ドンナ・ヴァトラ(アルフレッド・ハウゼ・オーケストラ)
19 小雨降る径(北村維章/東京シンフォニック・タンゴ・オーケストラ)
20 ブルー・タンゴ(ルロイ・アンダーソン・オーケストラ)
21 夜のタンゴ(アルフレッド・ハウゼ・オーケストラ)
22 血と砂(ジャック・プリーズ/カスティリアンズ)
23 ミッドナイト・タンゴ(レイ・カーター/アーサー・マレイ・オーケストラ)
24 タンゴ・ブリランテ(リチャード・セディン・オーケストラ)
25 黒き汝が瞳(ベルリン・ダンス・オーケストラ)
これらの他にも『小さな喫茶店』、『ジプシーの嘆き』、『ポエマ』、『夢のタンゴ』、『花売り娘』、『ラ・ロジータ』、『思い出のタンゴ』など大いに流行ったタンゴが沢山あった。今となっては懐かしいとしか言いようのない曲たちだ。
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