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2015年08月26日05:34

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神秘の薔薇と観世音菩薩

 観世音菩薩といえば、よく読まれるお経の代表に『観音経』と呼ばれる法華経の一節があるのですが、この経典の主人公は、観世音……即ち世界の音を、この惑星地球が奏でる音をよくよく観ずる菩薩であり、観音さまとして世間で親しまれている菩薩のことです。

 この観世音菩薩は、衆生の苦悩の声を聴き取ると、衆生の呼び声に応えて、即座に現れ、衆生を苦悩から救い、解脱を得さしめる精妙なる働きを持つが故に、観世音菩薩と称されている菩薩です。

 禅の世界でもよく詠まれるこのお経『観音経』の一節に、「妙音観世音、梵音海潮音、勝彼世間音……』という一節があるのですが、妙音観世音とは、この地球が奏でる妙音に精通せし菩薩のことであり、梵音海潮音とは、その響きが梵の音、即ちナーダブラーマ(神の音)は潮騒の音の如くであること、そして、それが世間から発せられている音、人間が放つざわめきよりも遥かに優れていることを語っています。

 ところで、海潮音といえば、実際に、大海の波は、ハミングのような音を生み出しているようですが、これはまさにオーシャニック・ヴォイスでもあり、地球が奏でる幾つかの音楽のなかでも、とりわけ注目に値すべき音のように思われます……

 ところで海潮音の一節は、『観音経』世尊偈の後半に出てくるのですが、なぜ観世音菩薩が観世音菩薩と呼ばれるようになったのか、その理由がこの経文の冒頭に説かれています。

 興味深いのは、「聞是観世音菩薩 一心称名 観世音菩薩 即時観其音聲 皆得解脱」とあるところで、そこでは衆生が観世音菩薩によって速やかに救われるきっかけは「聞是観世音菩薩」であると語られているのです。

 うっかりすると、救いを求めて叫びさえすれば、観世音菩薩が無条件にやってきてくれるかのように錯覚してしまいそうですが、称名を唱えるにしても、まずは、観世音菩薩(の誓願)を聴き取ることが先だということなのです……。

 さあ、果たして私たちは観世音菩薩(の誓願)を聴くことができるのかどうか……

 で、今日は、その観世音菩薩を聴く体験へと通じるヒントになるかもしれない “神秘の薔薇” と名づけられた、セラピューティック・メディテーションの紹介などをしてみたいと思います。このユニークな瞑想法は、OSHOによって編み出された、現代人のための瞑想法のひとつです。

 『これ、これ、千回もこれ』と題する禅の講話シリーズの冒頭で、OSHOは「この瞑想法は、来る禅シリーズの序章となる」と語り、ゴータマ仏陀のヴィパッサナ以来とされる「神秘の薔薇」と名づけられた新しい瞑想法について、そのときその場に居合わせた数千人の聴衆たちを前に詳しく説き明かしていったのです。

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禅は、あなたのまさに本質、実存そのものだ
私は、これまでもこの瞑想法について話したし
一部の人はそれを21日間行なった
だが、あなたがた全員がそれに参加したわけではない
シリーズを始めるにあたって
この神秘の薔薇と呼ばれる瞑想法に参加してみるといい

この瞑想は4つのステージから成り立っている
それぞれが特定の目的のためにデザインされている
それは何世紀にもわたって、世代から世代へと
あなたがたの実存のなかに注ぎ込まれてきた
すべての毒物を外に出すためのものだ

“笑い”が第1の段階だ
著明な作家のひとり、ノーマン.カズンズは
最近書き下ろした本のなかで
自分の生涯にわたる実験について述べている
彼によれば、理由などなくても
20分間、ただ笑いさえすれば
すべての緊張が消え失せてしまう
意識は高揚し、塵は消え去る

やってみればわかるだろう
理由などなくても笑うことができたら
内側に抑圧されていたなにかが……
小さな子どもの頃から
あなたは笑わないように教えられてきた
「まじめにやりなさい!」と
その抑圧的な条件づけから抜け出さなくてはならない

第2のステップは“涙”だ……
涙はさらに深く抑圧されている
私たちは、涙は弱さの兆候だと教えられてきた
そうではない
涙はあなたの目を浄化するだけではなく
ハートも浄化する
それはあなたを柔和にする
涙はあなたを清らかに
重荷を背負わせないようにするための生物進化の方策だ
女性は男性ほど狂ったりしないというのは
今ではよく知られている
そしてその理由とは
女性の方が簡単に泣いたり
涙を流したりできるからだということがわかった
小さな子どもにさえ
「男らしくしなさい、めめしく泣いてはいけない!」
ということが言われる

しかし、肉体の仕組みを見るかぎり
男にも女にも同じように涙をためた涙腺がある
自殺する女性は男性よりも少ない
ということもわかってきた

当然のことだが
暴力的な宗教や、戦争や、大量虐殺を引き起す
原因となった女性は歴史上ひとりもいない
再び、全世界が泣いて、涙を流すことを学べば
それはとてつもない変容、変革になるだろう

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 こうして表層的な悲しみ、個人的な痛み、情緒的な涙を流し続けてゆくと、次第に、その涙の層は深まってゆきます……こうして第2ステージの7日間、毎日3時間泣き続けることで、わたしたちは次第に常泣菩薩のプロセスを辿ってゆくと言ってもよいと思います……。

 クリシュナムルティが言う、思考の悲しみである表面的な層をはるかに超えた深い悲しみの層へ、非情の悲しみの層へと、涙は次第に深まってゆき、降りてゆきます……と、そこには、人類の集合的な悲しみが、渦を巻いてうごめいているのを観ることができます……

 ところで、こうした常泣菩薩の境地に先立って、まずは、7日間の笑うステージから始まるというのが、この「神秘の薔薇」のきわめてユニークなところなのですが、それは笑いというものが、何よりもまず、傷つき、萎縮し、冷えきっている第3チャクラをゆるめ、深い感情への接触を助ける特効薬として作用するところからきているものと思われます……。

 さて、こうして充分に涙の層、悲しみの層を深く深く掘り下げることができたなら……神秘の薔薇のプロセスは、次の第3ステージへと軽やかに移ってゆくことができるのです……。

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第3のステージは、“沈黙”だ
私はそれを“丘の上の見張り”と呼んでいる
静かになりなさい
まるでヒマラヤの頂に、たった独りでいるかのように
すっかり沈黙し、独りになり、ただ見守り、耳を傾け……
繊細な状態で、しかも身動きしないでいる

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 実際に、21日間の “神秘の薔薇” を体験した経験から言えるのですが、最初の2つのステージのなかに全一に入りきることができたなら、この第3ステージにおいて、通常の坐禅やヴィパサナでは、入り得ないほど繊細で微細な領域に入り込んでゆくことが可能になるのです。

 そしてそこは、墓場の沈黙でもなく、氷のように研ぎ澄まされた沈黙でもなく、ほとんど人がこれまで足を踏み入れたことのない、繊細な薔薇の花が咲き乱れる豊穣なる沈黙の園が待っています……。

 こうしてゴータマ仏陀より2.500年経った今、OSHOによって現代人のために編み出された“神秘の薔薇” は、エネルギーを全一に注いで、笑いと涙のなかにトータルに入ってゆく人を、海潮音が聴こえてくる境域へと運び去り、また「是観世音菩薩を聞く」というスペースへと誘い、本質としての微細なエネルギーがみなぎる地平を垣間見させてくれることになるのです。

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