今日は、倉敷イオンの映画館まで足を運んで、前評判の高かった『皇帝ペンギン』を見てきました。
今年新春、フランスで公開されるやいなや、たちまち『WATARIDORI』や『ディープブルー』以上の反響を呼んだとされるこの映画は、南極に棲んでいる皇帝ペンギンの生態を丹念に辿ったドキュメンタリー映像です。
皇帝ペンギンのオスが、ブリザードが吹きまくる厳冬期の南極で、ひたすら空腹に耐えながら卵を暖め、メスの帰りを待つシーンは、前にもテレビで見たことがあり、ペンギンのオスというのは健気な存在だなぁ〜という漠然とした印象を持ってはいたのですが、今回の映像を見ることで、その卵を抱きかかえるシーンを、皇帝ペンギンのライフサイクル全体の文脈の上に正しく置くことで、にわかに全体像が浮かび上がってきたのでした……。
4歳以上の皇帝ペンギンたちは冬が近づいてくると、オスもメスも、みな申し合わせたように海から弾丸のように氷の上に飛びあがり、ひたすら歩いて、繁殖地を目指します……それも海から上がった仲間たちが一匹も残らずそろっているかどうかを確認した上で、青空と白だけの氷の世界を、1列になってひたすら歩き続けてゆくのです……
その姿は、まさに聖地に向かう巡礼者の旅のような趣があるのですが、そのオアマックと呼ばれる内陸の繁殖地は、彼ら自身の生誕地でもあり、つまりは、懐かしい故郷でもあるのです。太陽や星の位置に導かれ、100キロ以上の距離を、20日以上もかけて、決して平坦とは言えない氷の道をひたすら歩み続けるペンギンたち……
そしてその約束の地についたとたん、求愛の儀式が始まり、その年のベストカップルを求めて、ペンギンたちの愛のダンスと求愛の歌声が響き渡るのですが、その求愛のダンスのなんと優雅なことか……一匹と一匹がしっかりと出会い、よそ見をしないカップリングに入ってゆくのですが、それは、そのカップリングに互いの命がかかっているからでもあるのです……
求愛のダンスの後に、カップリングが成立したペンギンたちはむつまじく短い愛の時間を過ごします……そして愛の結晶である卵が産み落とされると、メスはその卵をオスに委ね、産卵の疲れを癒す餌を求めて100キロの彼方にある海へと向かって旅立ってゆくのです。
それからオスのペンギンたちは、メスが再び帰ってくるまで、ひたすらブリザードの中で空腹に耐えながら、卵を暖め続けるのですが、このとき、メスからオスへと卵がうまく手(足)渡しされるかどうかがひとつの難関だということは、この映画を見て初めて知りました……
このとき卵が氷点下40度の外気に数秒以上触れたなら、そこで卵は氷結して子育てはジエンドになってしまうので、この卵の足渡しの儀式は、ひじょうにハイリスクな行為なのです……呼吸のあったカップルたちは、このとき歌いながら舞いながら、卵の足渡しのタイミングをうまくはかって呼吸合わせをするのです……
メスたちが空腹を満たす旅に出かけた後、卵を守るオスたちは、荒れ狂う吹雪の中、最も厳しい冬の試練を4か月の絶食に耐えて、生き抜き、卵を守り通さねばならないのですが、やがて長かった冬が過ぎ、南極の空に太陽が戻ってくるころ、餌を求めて海に戻っていたメスのペンギンたちがようやく戻ってくるころには、元気な雛たちが孵っているのです……。
そのときすでに極限にまで衰弱しているオスペンギンたちは、メスと再びバトンタッチして、雛をあずけ、一斉に、海へと向かうのですが、この旅路のなかで多くの父ペンギンたちが力尽きて、倒れてゆくということです……。
ところで今回、この映画を見ていて初めて気がついたのは、皇帝ペンギンたちのくちばしがピンク色をしており、また頬のあたりがゴールドの毛で覆われていることでした。白い氷と青い空だけの風光のなかにあって、ペンギンたちの、このピンクとゴールドのコントラストは、とてもとても目立つのです……
忍耐と限りない信頼が、この映像から伝わってくるメッセージだったのですが、思えば、このピンクとゴールドの2相の組み合わせは、オーラソーマの76番ボトルの色でした……そして、この76番ボトルは、Trusut(信頼)と呼ばれているのでした。これからB76を密かに、皇帝ペンギンボトルと呼ぶことにしたいと思います。
追記:ところで、オーラソーマの見取り図を借りると、大地から立ち昇ってくる赤いエネルギーが意識の光に照らされ変容し、ピンク色に変わりながら、ゴールドの真のオーラのエリアの中核にある受肉の星を暖めるといいます……
そしてその大地から湧き上がってくる無条件の愛であるピンクの光に充分に暖められた受肉の星は、時至ると、内包させていたその情報をホログラム的に投射し、その情報を開いてゆくというのですが、これはいわば、大地という名の鶏が、人間という名の卵を暖めるプロセスにも似ていると思います。
となるとピンクとゴールドのお化粧をした皇帝ペンギンが、極寒の中でひたすら卵を暖め続ける姿というのも、まさに、どんぴしゃりだという感じがします
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