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2015年05月28日01:35

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音楽鑑賞道のり記

　mixiプロフィールにもあるように好きな音楽は①クラシック②ムード・ミュージック③スタンダード・ヴォーカルの３つのジャンルだ。

　

音楽のジャンル分けはあまり意味がないようにも思えるが、一般的なカテゴリーでいえばそうなると思う。他の音楽も聴かないわけではないが積極的に聴いてはこなかった。

　クラシックとの付き合いは、小学生の頃ピアノを習っていて、もっともそれは入門用のバイエルなんかだったからクラシックとはいえないが、さらに父もクラシック音楽が好きだったことから買ってもらったレコードを聴いて始まったといっていい。初めて手にしたレコードは忘れもしないアンドレ・コステラネッツの「カルメン」組曲だった。それは英語だらけの輸入盤で、どこで買ったのか知らないが随分高かったろうと思う。

　中学に入ると今度はラジオから流れるアメリカン・ポップスや映画音楽に夢中になった。プレスリーやパット・ブーンの時代である。夜になるとラジオにかじりつき高校入試の勉強はそっちのけ、おかげで第一志望の高校には見事すべってしまった。

　また、この頃出会ったのがムード・ミュージックだ。これもきっかけはラジオで、スピーカーから流れるリカルド・サントス楽団のタンゴ「真珠採り」とか、パーシー・フェイス楽団の「シンシアのワルツ」、フランク・プゥルセル楽団の「急流」にすっかり魅了された。親に貰ったこづかいはシングル盤購入に消えていった。

　高校に入ると同級生に木下というちょっと大人びたのがいて、「今度、ジュリーロンドン聴きに行くんだぁ」などと自慢げに話していた。こっちはジュリー・ロンドンが何者かも知らなかったし、クラシックとアメリカン・ポップスとムード・ミュージックで手一杯、耳一杯だったから「あ、そう」と聞き流していた。

　そんな大人のヴォーカルに目覚めるのは大学に入ってからだ。テレビでも「アンディ・ウィリアムズ・ショー」、「ミッチと歌おう」、「ペリー・コモ・ショー」、「ダニー・ケイ・ショー」などがお茶の間で見られた時代だ。余談ながら、昨今のテレビは食べ歩き、安上がりな旅、怪しげな芸人などが電波を浪費している。比べてテレビの黎明期ともいえる当時は間違いなく遙かに文化的だった。

　あれから半世紀近く経つが、いまだに同じような音楽を飽きもせず聴き続けている。聴くジャンルが入れ替わることは一度もなかった。多分それは死ぬまで変わるまい。音楽への拘りは人一倍頑固なのだ。

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