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2014年11月25日09:43

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鶏冠井町の由来

  
 さる犯罪事件のおかげで、私の本籍地 (父の実家) の地名が、新聞の全国版記事で報道された。 逮捕された被疑者の住所が、ご町内だったからだ。

 京都府向日市鶏冠井町。
 お読みになれるだろうか。 読みを知っていれば、たぶん、あなたのワープロソフトも、ちゃんと漢字変換してくれる地名なんだけど。
 
  「むこうし」は大丈夫ですよね。 ときどき、「ひゅうがし」と誤読されて、ずっこけるけど。
 そのあとは、なんと、「かいでちょう」と読む。
 すごいでしょう。 知ってなきゃ、絶対読めないでしょう?
 向日市のこのあたりは、平安京の前に作りかけで放棄された長岡京の遺構が地下に眠っている古い地域で、だからというわけじゃないんだろうけど、ほかにも「物集女 (もずめ)」のような、読めない地名が少なくない。

 この地名の由来、私は父から、昔この辺りにあった井戸のそばに古い楓の木があったのにちなんで、そう呼ばれるようになったのだ、と聞いた。
 紅葉したカエデの葉が、井戸の水面 (みなも) に映って、とても美しかった。 その鮮やかな色が、まるでニワトリの鶏冠 (とさか) のようだったので、その井戸が鶏冠井=かえでの井戸と呼ばれるようになり、やがてそれがなまって、「かいで」になったというのだ。
 みやびだなあ、さすが古い都の跡の地だ、と子どものころの私は、小さな胸に感じ入ったものだった。

 鶏冠井町という地名が新聞に載ったのを機会に、上のような小ネタを書こうと思って、裏取りのために、「鶏冠井町 地名の由来」をネット検索した。
 その結果、楓の木云々は単なる言い伝え (しかも結構新しい?) で、史実ではないらしいとわかった。
 <もともと蝦手井(かえるで)と言う地名だった場所で、やがてなまって ”かいで” と呼ばれるようになったそうです。  これが ”鶏冠井”という現在の字になったのは安元2年(1176)のこと。> http://web.kyoto-inet.or.jp/people/je3uzs/kaide2.htm
 はあはあ、カエデじゃなくてカエルがなまったんですかそうですか。
 夢もチボーもありゃしない。
 まことに、憎むべきは、プライバシーをさらしっぱなしの実名犯罪報道。
 それがなければ、子どものときに父から聞いたみやびな由来談を、信じたまま生涯を過ごせたろうに。

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