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2012年08月25日20:37

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俺を裏切ったマンガ、「バイオレンスジャック」。

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まだ入院している時のことだが、見舞客が私に二度と読まないくらいにヒドかったマンガは何でしたかと聞いたことがある。
私は永井豪先生の「完全版バイオレンスジャック」だと即答した。

みなさんも幼少期、生まれて初めて目にしたマンガを覚えているだろう。
そして、それが決して最初からのものでなかったことも。

私の場合、望月三起也先生の「ワイルド7」のコンクリートゲリラ編であったり、石森章太郎先生の「サイボーグ009」の0011の回であったりした。
永井豪先生の「バイオレンスジャック」はKCコミックス版で、関東鬼相撲編が最初の出会いだった。

上に貼った三ページは冒頭に載ってたもので、今見てもほんとうにカッコいい導入の仕方である。北斗の拳さえも足下にも及ばない。
少年少女が吊るされた大木を根っこから引き抜いてそれを担いでいってしまうジャックの怪力ぶりは、映画「コマンドー」のオープニングで木を担いで現れたシュワちゃんのインパクトに先立つ、永井豪先生の天才的なキャラの立たせ方だ。
幼年の私はすっかり虜になって、親戚が持っていた肥後守(昔は誰もがエンピツ削り用に持っていた折りたたみナイフ)をジャックナイフに見立てて、親戚が大切にしていたGIジョーの首めがけて投げつけて、首チョンパの目に合わせていた。

それが漫画ゴラクで復活してから雲行きがおかしくなっていった。
バイオレンスジャックが私の愛したジャックではなくなっていったのである。それは永井豪マンガのキャラがオールスター出演しているせいではない。
理屈っぽくなっていったからである。
ジャックもスラムキングも何かの理屈にとらわれて動いている。
そんな気が気持ち悪いほどまとわりついてきて、永井豪先生は私のような往年の読者をこっぴどく裏切るのではないだろうか?と悪い予感がした。

そしてスラムキングのキャラが崩壊し、ジャックの正体が判明するとともに、バイオレンスジャックの世界は何とデビルマンの世界にスポイルされ、私の悪い予感は的中し、ジャックに背骨を折られた鬼王山のキャラの無念が私に乗り移って、激しい怒りを覚えた。

結局、永井豪先生は「デビルマン」を超える作品はもう描けないと断言したわけである。

それは自作「バイオレンスジャック」、そして読者へのこれ以上はない裏切りではないだろうか?

従って。私はKCコミックス版の「バイオレンスジャック」を愛し、完全版を憎む。ジャックは永遠に謎の存在、スラムキングは自らの筋肉の締め付けとも闘う永遠の覇王なのである。


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