あの色はどこから来たんだろう
有機的に惹きあう枝と影
ただその一点からすべては拡がり
私にその空間を創造させる
森の静寂
その中に自分が在ることがわかる
その一点が周りの仔細を教えてくれる
木の皮の乾き切った一枚から
そこに落ちる陽の影
だけどそれは全て無機質に
その色だけ その光だけを私に伝える
空間の拡がりは私の存在を許しているかのようだ
だけどそこには動きがない
私も心がまるで棒読みの童話の話し手のように
その光景を認知するだけ
そこには風のそよぎも
土にすむ生物達も
目の前に見える木々さえも
生きていることを感じさせない
その空間がまるで時間を失ったよう
そこには永遠があった
果てしない存在感と
矛盾するような生命の芽さえも感じさせない
躍動的なもの そんなものはどこかに捨て置かれたよう
心が澄んで 空っぽになっていく
抜け殻のその景色は
目を瞑ってもまた現れる
私の大切な想い出
それは私自身なのかもしれない
私の唯一の居場所
私の宇宙
風のそよぎとともに感情が走りそうになる
でも、私はそれを信じない
そうすればいつまでもここに居られるから
私の唯一の帰るべき家
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