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2007年07月26日15:07

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うさぎのこころをもった狼

小さなお城の中の中に
小さな小さなお部屋がありました
そのなかに狼のかたちをしたひとつのいのちが
かぎられた空間の中で生きていました。

そのお城はずっと昔から何重にも壁が張り巡らされて
めったにもの音などしないのでした。
だれがこのお城を建てたのか
だれがこのお城をもっていたのか知りません

ただ、いつしか周りは森で生い茂り
隠れるように佇んでいるこのお城に
ひとついのちがあるだけでした

この狼は昔は両親とすんでいましたが
いまはだれもいません。

いまは自分だけ
だけど日が昇って中庭をのぞけばとりたちが
さえずっているし、緑の木々や花たちはうつくしく
手入れをしたり果物をとって食べたり
とてもたのしい日をいちにちいちにち過ごしてました

ある日、一匹のカエルがその城をおとずれました。
おとずれたというよりもとなり街のお城に用が
あったのに近道をしようと森に入り迷ってしまって
お城が見えたので誰かに道を聞こうとはいってきたのです

カエルはこんなところに変なお城があることに
少しの恐怖とたくさんの好奇心をもってはいっていきました
あちこち探してもだれもいないので中庭の噴水の
近くに腰をおろしてやすんでいると

なにやら大きな影がじぶんにあたる太陽の日差しを
遮っている事に気づきました
カエルはその影の中にほてった体を休めるのに
丁度よいとおもい目を瞑り寝ころがってねようと
しました。

しかし、仰向けになってみると目の前にみえるのは
おおきな狼。
驚いた拍子にカエルは噴水に自分の身を投げ込み
びしょぬれになったまま噴水の彫刻に体を精一杯
かくしてみました。

狼はなにがおきたのか逆にわからずその異邦人を
ながめていました。この緑と白い色の不思議な形
をしたいきものがなにを言ったのか理解できず
そこに立ち尽くしたまま狼とカエルは動かないまま

ふと、動ける頃に狼はあまりの恐さに城に逃げ帰って
自分の部屋でブルブルと震えていました

カエルはわけも分からず取り残されて、また食べられ
なかったことに安心して噴水の中で座り込んでしまいました。

少したって冷静になったカエルは帰り路もわからないし
狼が城にもどったということは自分が食料として
みなされていないと思い、思い切って城に入って
狼を探しました。

カエルは声をだしながらだれかいないか、もしくはさっき
の狼がいないかなどといいながら城をうろうろとしていました

そのころ狼はちかづいてくる。大きな声の主がきっと
あの変ないきものに違いないとしかもそいつが近づいて
もうすぐ自分をみつけるとおもいつつ震えて部屋の隅に
毛布を被って必死に見つからないようにしていました。

カエルは歩いていくうちに奥にこじんまりした部屋をみつけ
近づいていきました。扉を閉め忘れた狼は気が気ではありませんでした。
カエルもまだ少しだけ警戒しているのか震えている毛布
を見下ろしながら道にまよってしまったんだけど
帰り道をしらないかと尋ねました。

返事がないので何度か
狼はやっと理解しそしてすこし安心して
だけどこの城よりでたことがないのでわからないと
カエルに返答しました

カエルはこの狼に興味をもち
ちょっと外にでてみないかともち掛けました
狼はお城の外なんて夢にも描いた事がなかったので
カエルのいっていることがわかりませんでした。

カエルは外にあるいろいろな話をし始めました。
もともと行商人のカエルはぺらぺらとたくさんの
面白い話やきれいなものはたまたおいしい食べ物の話などをしました
狼は想像もつかない世界にちょっと興奮を覚え、段々その話
そしてその世界に興味を魅かれるようになりました。
心臓が異常な心拍で打っているがわかりました。

カエルは
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