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2024年05月03日11:34

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4転5転のスパイサスペンス 『ARGYLLE/アーガイル』

マシュー・ボーン監督が『キンクズマン』に引き続き送る本作は、2転3転どころか4転5転するスパイアクションだ。

とにかく予想はくつがえしながら、最後は監督得意のばかばかしい活劇へとつながる。カラフルな煙幕の中で行うダンスガンアクションと原油スケートは必見だ。*1

「ベストセラースパイサスペンス小説“アーガイル”の著者で小説家のエリー」は、彼女の小説の内容が、現実の未来予知能力を持つと語るスパイのエイダンと出会う。無理矢理ロンドンへと向った彼女は、実際、自身の創作と現実が一致するのにおどろく。だが、彼女はエイダンが隠し事を抱く事実にも気付く。

「小説の未来予知は本物でエイダンは裏切り者か?」

普通の物語なら、この1回と2回の“回転”で真実へ辿り着く。だが本作は、このネタバレへ、現実に根差す解釈をあたえながら、さらに“回転”する。*2

あきさせない。

同時に物語は丁寧だが複雑だ。うかうかすると振り落とされてしまう。

本作は近年ではスタンダードになった「世界を守る正義の味方のスパイアクション」だ。そのジャンルとしての新味はないし、筋書も定番だが、とにかく予想しずらい展開と監督の映像的センスが光る。また、ルックスをふくめ“普通”の中年女性のエリーが主人公も変り種のひとつだ。*3

続編が予定されているが、うまくいったら『キングスマン』とのクロスオーバーもあるとのことだ。*4


※1 もっともやりたかったのは、このバカバカしさだろうが――。

※2 主人公のエリーとエイダンをふくめ彼女の周辺人物すべてをふくめた場合、10回転ぐらいするかもしれない。エンドロールの中の展開をふくめ。

※3 エリー・コンウェイ = ブライス・ダラス・ハワードは最近スターウォーズのドラマシリーズ(『マンダロリアン』)など、父親(ロン・ハワード)の業績を継ぎ、すっかり女性監督としてのキャリアを形成しているけど、そもそもいい役者ですよね。

※4 ただ、本作の興行収入自体は「おとなしめの成功」だったことは事実で、今後どうなるかはわからない。
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