相方の 出張に便乗して、5年ぶりに松山へ。
で、松山みやげの定番を買って帰った。 一六タルト。
久々に食べたけど、やっぱり美味しい。
タルトっていうと、つい洋菓子屋さんの店頭に並んでいるあれを思い浮かべて、ぜんぜん違うやん!と突っ込みたくなる人も少なくないのでは。
伊予の殿様(久松家初代松山藩主・松平定行公)が、長崎でお仕事中にポルトガル人に食べさせててもらって「うむ、こりゃ美味い」とはまり、帰ってきて、藩の菓子職人に「同じようなもの」を作らせたらああなった、といういわれを聞いても、いやあ、食べ物を話(言語的記述)だけで再現するのは難しいんだなあ、と思っていました。
違うんですね。
当時のポルトガルのトルタ菓子って、カステラの生地でジャムを巻いたようなものだったんですって。
下の写真は、現在のポルトガルの「トルタ・デ・アゼイタオン」、つまりは一六さんのご本家のいとこ格だけど、殿様の菓子職人が、ちゃんとコンセプトを把握していたのがわかります。
(*世界の郷土菓子* ポルトガルの「Torta de Azeitao/トルタ・デ・アゼイタオン」
https://traveling-pp.com/sweets-memo/tortadeazeitao/ )
伊予の殿様、ポルトガル人からトルタを分けてもらって、それを菓子職人に渡して、同じようなものを作らせているんですね。
しかもなんと、ジャムっぽいものを餡に変えるというのは、定行公じきじきの発案だったとか。
「どうじゃ、よきアンであろう」と鼻高々であらせられたらしい(←うそ、昔の殿様は駄洒落を言わない)。
たぶん当時の愛媛はまだ現在のような柑橘王国ではなかったから、いまのような柚子餡や伊予柑餡は使われてなかっただろうけど、いやあ、殿様の食い意地、あなどれない。
とにかく、一六くんって、”美味しい歴史”なんです。
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