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2023年07月18日21:44

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君たちはどう生きるか

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宮崎駿監督の最新作…、というか問題作。

まずは大きな問題点を2つ。

・この作品のテーマは?
タイトルは戦前に発表された吉野源三郎の同名小説にインスパイアされたものらしいのですが、この作品は小説とは一切関係無し。

作中で主人公が小説を読むシーンはありましたが、それ以外の引用が見当たらない。

通常、タイトルは作品のストーリーを表していたり、テーマのヒントになっているものですが、どこかちぐはぐな印象。

そして、ラストまで見ても、「結局、何が言いたいの?」と思わざるを得ない。

・ストーリー展開
ストーリーは大まかに言うと、異世界へ行った主人公が精神的な成長をする王道のファンタジー。

宮崎駿監督作品でいうと「千と千尋の神隠し」に近い。

通常なら良くも悪くも先の展開が読めて、作品世界に没頭できそうなのですが、それぞれのエピソードの繋がりが悪くて、どことなく「連続短編映画」を見ている感覚。

単純な起承転結で構成される「王道のファンタジー」ではないので、見ている方は始終頭を使わなくてはならない。

見る人を選びます。

とはいえ、映像は綺麗、キャラクターはユーモラスで面白いなどの見どころがあって、個人的には見ていて飽きませんでした。

見終わってから、つらつら考えていて思ったのですが、この作品は例えるならば「ジョルジュ・スーラの点描画法の絵」でしょうか。

「点描画法」とは、俯瞰して全体的に見ると普通の絵画ですが、近づいて見ると無数の色が違う点によって描かれている絵画のことです。

それぞれのエピソード(点)だけ見ていると何が描かれているのか分からないのですが、作品を見終わってから全体を俯瞰して見てみると、はっきりとは分からなくてもテーマが見えてくる。

そして、ジブリ作品に関する知識や、観客の年齢や性別などによって見え方が変わってくると思われます。

あと、個人的に興味があったのは、セリフの中で「クレタ島人のパラドックス」が出てきたところ。

あまり書きすぎるとネタバレになるのでやめておきます。

いろんな意味で、知的で歯応えがある作品でした。

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