音楽評論家 東条碩夫氏のブログを読んでいたら面白いことが書いてあった。それは昔のテレビのニュースについてのことで、災害のニュースでは、必ずマーラーの『巨人』の第4楽章冒頭、ショーソンの交響曲の第3楽章冒頭が使われたというものだ。
「そうなんだ!」、今のニュース番組を観ている若い人には想像もつかないだろうが、昭和の頃は、ニュース映像のバックには必ず音楽が流れていて、それはクラシック音楽が一般的だった。
ニュース・キャスターなどというものが存在せず、アナウンサーは声だけの出演だったから音楽が無いと絵的に寂しいとか、クラシック音楽なら著作権使用料が発生しないから安上がりとか、そんな理由からだろうか。
子供の頃はそんなニュース番組を聴いて?クラシック音楽のカッコよさに惹かれていった。
最初に挙げた曲の他には、戦争の映像ならワーグナーの『ワルキューレの騎行』、事故ならマルコム・アーノルドの交響曲3番の一節、劇的場面はバーバーの交響曲1番冒頭、楽しいニュースならシベリウスの『カレリア』行進曲が度々登場した。
今に至るクラシック好きへの道案内は、テレビのニュース番組だったのは間違いない。
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