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2023年03月04日15:15

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マイクル・コナリーのDesert Starを読んだ

マイクル・コナリーのDesert Starを読んだ。
これは「ハリー・ボッシュ」シリーズの中でも多分最高の傑作の一つだと思います。
実に面白く、楽しく読めます。絶対のお薦めです(この初版HCサイン版は所蔵すべきでしょう)
久しぶりにワクワク感のあるスピーディなボッシュを読んだ気がしました。
しかしハリー・ボッシュの活躍するシリーズの最終作でもあるといえます。
あのコールド・ケース・ユニットが復活し、バラドが束ね、ボッシュがボランティアで参加し、彼の心に引っかかっていた未解決事件に取り掛かり、スタートします。

市会議員のジェイク・パールマンが妹の未解決事件を解決するべく警察に働きかけたので再編成されたのです。
勿論、メンバーはそれぞれ未解決事件を持ちながら、チームとして行動するのです。
まずはパールマン事件を中心に全員で捜査始めます。
ボッシュはボランティアの形で参加ですが、バラドも彼のLAPDのコールド・ケースの豊富な捜査経験を頼りにしています。警察本部では「ボッシュをガン・スリンガー」とみて彼の参加をあまりよくは思っていなかった。そんなダーティ・ハリーみたいなことはなかったけれども。彼は当然喜んでパールマン事件と、昔の自分の担当し未解決で心残りの「ガラガー一家皆殺し」を単独で追いかけられると喜びます。
この二つのコールド・ケースをいつものように並行しながら捜査を再開です。

1994年6月11日に20代の若い女性サラ・パールマンが暴行され惨殺されている事件が起きていたが、迷宮入りになっていたのだ。
サラは金曜日の夜アルバイト後、10時頃帰宅していた。弟のジェイクはガールフレンドとデートし真夜中に帰宅していた。その時サラの車がガレージに停車していて、彼女の部屋が閉まっていたと証言した。翌日夫婦でゴルフ旅行中の母親から電話でジェイクにサラから電話がないと言われ、ジェイクはサラが自分の部屋で死んでいるのを発見したのだった。

ボッシュは事件記録を読んで犯人の指紋はなかったが、手のひらのDNAが残っていて、現在の鑑定技術の進歩で鑑定できることを知り調べ始めた。LAPDに依頼したのだ。
そのうえ、2005年に暴行され殺された事件の犯人のDNAとも一致したのだ。
凶悪シリアル・キラーなのだ。

そしてサラの遺品の中から、兄ジェイクの市会議員選挙キャンペーンのバッチを見つけます。それを手掛かりに始めます。ジェイクの選挙キャンペーンに参加していたネルソンに当時の状況を聞きますが彼の態度に不信感を持ちます。
サラの部屋に残した尿の血液から犯人が腎臓を患っていることが分かり、ネルソンも腎臓の手術を受けていることを知ります。
ネルソンはジェイクの片腕で、秘書ですからボッシュも慎重に捜査をしなければなりません。
ネルソンを尾行し、昔のジェイクの選挙ボランティアを見つけ会いに行きます。
そしてネルソンの証言の矛盾点を見つけて追及します。ネルソンは市会議員の秘書であることから、嫌がらせを始め、自分は潔白だと言います。その上ネルソンはボッシュやバラドの行動や捜査の進展状況をよく知っていたのです。捜査が難しくなりますが、ネルソンと直接話し合い殺人犯の疑いを持っていることを告げますが、そこでボッシュはとんでもない間違いに気づきます。
真犯人が意外な身近に潜んでいたことを知り、ついに事件を解決します。
ここまで本当に小気味よいテンポで読み進めます。本当にあっという間に読まされてしまいます。

彼はその間にボッシュはネヴァダ州近くの砂漠の花が咲く場所のガラガー一家の死体が見つかった場所を訪れます。
ガラガー一家全員が殺され、夜に家から連れ出され、砂漠に死体が捨てられていたのだ。
一年後偶然に死体が発見されていたのだ。
当時ガラガーに雇われていた人物が、一家がいなくなると会社のものを全部売り払い、その代金80万ドルを持って姿を消していたのだ。
ボッシュはガラガーの母親を訪ね、一家の当時の事情や息子のことなどを聞き出し、彼女の家が何者かに侵入されていることを知ります。
そしてボッシュは雇われた人物が犯人であり逃亡せず、国内にいることを突きとめたのです。
ここからは、一気に事件は解決に向かいます。あとは気持ちよく楽しみながら読んでください。
今回は痛快なくらい老練なボッシュを感じてください。ボッシュがガンマンとは今まで思わなかったがPDではそう考えていたとは恐れ入った。年老いて殴るより拳銃に頼るようになったのかも。久しぶりにワクワク感のあるスピーディなボッシュを読んだ気がしました。
余談:
この本の最後のボッシュのセリフは少し寂しいですね。ボッシュも1950年生まれだから、仕方がないか。

そのうえ「娘のマディがアカデミーを卒業し、ハリウッド・ディビジョンに配属になって良かった」と言うバラドの言葉が出てきます。

勿論11月7日の新作ミッキー・ハラ―のResurrection Walk にもボッシュは脇役で登場します。

*リック・ジャクスン刑事が(ボッシュの実在のモデル)が小説の21頁に登場してた。
*バラドの実在モデルはミッチー・ロバーツで後書きに出ている。

*ボッシュが「Roger that」了解と答えた時、バラドがそんなのはもう古い、時代遅れよ」と答えます。It’s jumped the Shark.
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