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2022年04月28日02:02

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「日本のロック、フォークの名盤10選」 第10回 ホライズン山下宅配便 「りぼん」

ライブハウスに通うようになったのは、
2011年の夏頃だろうか。
なんとなく面白そうだという好奇心から
行ってみたのだが、そこには
すばらしいバンドやアーティストが多数いるのには
本当に驚いた。

ベスト10のなかにインディーズのバンドや
シンガーがいるのを不思議に思われるかも知れない。
しかし、インディーズの面白さにハマってしまうと
メジャーの音楽なんて、つまらなくてバカバカしくて
聴いていられなくなること請け合いである。

ホライズン山下宅配便のことを知ったのは
インディーズバンドを紹介するPodcast
「Radio DTM」であった。
曲もメンバーのキャラクターも非常に面白かったので
CDを買ってみた。

ホライズン山下宅配便「りぼん」
(2012年、compare notes)

同時期に制作されたシングル盤「期待」では
ホーン隊12名、コーラス隊30名を起用している。
このアルバムではコーラスは入っていないが
トランペット、トロンボーン、オーボエ、など
多数のミュージシャンの参加を活かした
21世紀のプログレッシヴロックというべき
内容となっている。

アルバム全12曲中、特に
「イカレコンマタヒラ」「風呂の歌」の
2曲に強烈なインパクトを受けた。

「イカレコンマタヒラ」は
オーボエとトランペットの2重奏で始まるが
ボーカルはチェロの助奏を伴って歌うのだ。
モノローグ的な効果が見事だ。

間奏では、調性音楽の中に、不協和音を混ぜる
非凡なセンスが光る。

「風呂の歌」は、バンド編成の曲だが
間奏からオーボエが加わる。
そしてエンディングはチェロの多重録音〜
オーボエのソロである。
実に手が込んでいるのだ。

2曲とも静かな中に、多彩なアイディアを盛り込んだ
傑作だと思う。

他も、メンバー全員がソロヴォーカルを取る
「ロートホルン」など、ユニークな曲ばかり。

クラシック、現代音楽、ビートルズ、ニューウェイヴの
影響を消化し、独自の個性を築いたバンドの傑作だ。
有名な作品ではないが、これを聴けば、大抵の人は
曲の質の高さに驚くのではないだろうか?

追記
ホライズン山下宅配便のシングル盤「期待」には
2種類のPVがYouTubeにアップされている。
2010年版
https://www.youtube.com/watch?v=Sgxgfwa2jYc
2012年版(音楽もシングル盤のための別ヴァージョン)
https://www.youtube.com/watch?v=nZcBYAGTsJY

このバンドの実力はとてもこんなものではないが、
ライヴの雰囲気がうかがえるという意味で
貴重なものといえるだろう。
出来栄えは2010年のほうがいいと思う。
2012年のほうはアレンジが奇抜だが少し違和感が
あるように感じた。

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