mixiユーザー(id:1506494)

2021年12月25日21:08

45 view

LSD お気に召すまま@1 tas 1 CAFE

今年最後のシアターゴーイングとなったのは楠美津香さんの一人シェイクスピア、かねてよりご案内の「お気に召すまま」で、ワタシは2014年に拝観して以来久しぶりです
そのとき同様、小田島訳の脚本を読むのに加えて、ローレンス・オリヴィエ卿が主役オーランドーを演じた1936年の映画のDVD、今回はさらに昨年wowowで放映された熊林弘高氏演出によるその前年の東京芸術劇場公演の録画鑑賞を下準備としました

それくらい準備をしておかないと、なかなか一筋縄ではいかない喜劇なのです

鵜山さんの解説によると結婚で終わるのが喜劇の条件、そういう意味ではこの芝居、最後
にあれよあれよという間に4組の結婚が挙式される、夏の夜の夢の3組の縁組を上回る紛れもない喜劇です

しかし登場人物はいずれも一癖ある上に、シェイクスピア時代の常として少年俳優が女役
を演じ、そのヒロインが追放され男装してギャニミードを名乗り、さらにそのなんちゃっ
て男子が本来の女性である自分に恋心を寄せるオーランドーに恋の手ほどきをする際に
自分(ギャニミードですね)のことを女性だと思って口説いてごらん、などと二重三重の
ジェンダーの入れ替えがあるという複雑さです

熊林氏の演出は「混沌がテーマ」と居直っちゃって、老僕アダムを演じた俳優(小林勝也氏)がそのままの頭(フルトヴェングラーのヘアスタイル)で女性オードリーを演ずる、
もう観客不在なのですが、それと比べれば一人で20役を演じる美津香さんの方がはるかにわかりやすいです

なによりも、基本はシェイクスピアは大衆演劇で、設定はすべからくギャグであるという解釈ですから、二組の兄弟の確執も、失恋も得恋も、シニカルにこの世を斜に見るスナフキン的人物も、なんとなく納得してしまうから不思議です

多分、なんの下準備もしてこなかったであろう他の観客も大笑いしていましたから、美津香さんの企みは大成功であったと思います
もちろん、ワタシは多少の優越感を持って拝観しておりました

今日は相鉄線が人身事故により(飛び込みらしい)ダイヤが乱れ、ちょっとハラハラしましたが、余裕を見て家を出たため何とか間に合い、予定調和的に丸く収まりました
今年のシアターゴーイングの〆に相応しい「終わり良ければすべて良し」でありました
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年12月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031