スメタナの「わが祖国」をいろいろな演奏で聴いている。
この曲との出会いは、10代の頃に聴いた
ターリッヒ/チェコフィルの日本盤LP
(日本コロムビア)だったが、
LP1枚に無理やりつめ込んだせいもあるのだろうが
音がこもっていて、前に出てこないような
冴えない音質に閉口した。
どんな音楽かもよくわからなかった。
その後、ノイマン/チェコフィルの2枚組LPを聴いたのだが
まったく印象に残っていない。
ようやく最近になって、クーベリック/ボストンsoのCDを聴いて
この曲にはまった。
第1曲「ヴィシェフラド」冒頭のハープや、第2曲「モルダウ」が
有名だが、第3曲以降も素晴らしく、ラスト「ブラニーク」の
クライマックスの高揚感に至る構成が見事だ。
例によって、日本橋の中古盤店をはしごして
ターリッヒ/チェコフィルの日本盤CDを買ってきたが
モノラルながら、音質の良さに驚いた。
LPの、あのひどい音質はいったいなんだったのか。
非常に鮮明で、残響も美しく、1954年の録音として文句なしの出来栄え。
同時期のフルトヴェングラーの録音より
良いのではないか。
演奏も、この曲の徹底した理解が感じられた、まさに
知情意の備わった名演。
特に第3曲「シャールカ」中間部の美しさが印象に残った。
第2曲「モルダウ」も心のこもった名演。
「わが祖国」は人気曲なので、多くの録音があるが、
オーソドックスな演奏では、モノラルながら、この
ターリッヒ盤が最も優れていると思う。
次回の日記では、この曲のいちばん好きな演奏について
書きたいと思う。
(追記)
大阪日本橋で、中古レコード店のはしご(7店!)をした。いまだに
こんなことができるのは日本じゅうでここだけではないか。
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