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2021年07月23日16:59

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オリンピックが開催されるから聴きにこれた、それは確か・・・センチュリー・びわ湖定期

複雑な気持ちがしないわけではない、です。本音を言えば。でも、ここにある音楽は、本物。

大津 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール
センチュリーびわ湖定期公演vol.14
秋山和慶指揮 日本センチュリー交響楽団
(コンサートマスター 松浦 奈々)
ヴァイオリン独奏 竹澤恭子
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77
(アンコール J.S.バッハ:パルティータ 第2番よりサラバンド)
ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 op.68
(アンコール:シューベルト:「ロザムンデ」間奏曲 第3番)

本当なら、木曜日というウィークデーの19時から始まる予定だった演奏会、とてもそんな時間に大津まではこれないので、半ばあきらめていたのだけれど、オリンピック開催となったがために祝日(海の日)になったことからマチネーになった、という経緯。しかも、プレミアム会員特典のご招待とあって、いそいそとやってきました。

ただ、昨今のオリンピックをめぐるゴタゴタを耳にするにつけ、げんなり、というのが正直な気持ち。その気持ちが、今回の演奏会に臨む僕の気持に影を落としていたとしても、それは仕方のないことかもしれない(オリンピックに関して、これまで一切何も書いてこなかったけれど、ここで一言書くとするなら、やると決まったんだから、みんなで協力して、少しでもいい気持ちになろうよ、というのが本音です)。

竹澤さんのブラームスが聴ける、というのがやはり今回のコンサートの魅力の一つだったのだけれど、結論から言うと、このホール、ヴァイオリン協奏曲にはつらい。天井が高すぎてヴァイオリンの音が抜けてしまい、聴く席によってはオケとのバランスが悪いです。以前辻さんでシベリウスを聴いたときはそう思わなったのだが、たぶんあれはかなり後方の席のはず。今回は、招待席で平土間の真ん中に近い席で、この違いが大きかったかなあ。

そんなもので、せっかくの竹澤さんのヴァイオリンがあまり届いてこないもどかしさ。全体的には、この難曲を朗々と恰幅よく聞かせてさすが、ではありましたが。

対して、ブラ1は「巨匠・秋山」ここにあり、という堂々としたもの。最初から最後まで、「この曲はこうやるんだ」という信念に貫かれている。それは例えば、4楽章の序奏から、第1主題の登場、そこからアレグロのテンポが確定するまでの一連のテンポの進み。まったく自然で淀みがなく、スーッと音楽の高揚のなかに身を任せていける。それがなんとも心地がいい。

センチュリーも誠実にこの棒に反応して、ここぞというところでおおっという響きを聴かせてくれる。1楽章の再現部直前、全ストリングス強奏でズンっと撃ち込まれるCの音のすばらしさ、そのわくわく感。これこそ、オーケストラをホールで聴く醍醐味、ですね。

半分くらいは入っていただろうびわ湖ホールの拍手は暖かい。考えてみれば、秋山さんを聴くことができるのも、もしかしたらあと何回もないのかもしれない。これが最後かも、と思いながら、一つ一つを大事に聴かせていただくべきかもしれないなあ。帰ってきて調べると、秋山さんでブラームスを聴いたのは、これがなんと初めて。機会を、出会いを、大切にしていきたいです。

次は、豊中名曲で「シェエラザード」。これも、秋山さんでは初めて。楽しみに待ちます。
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