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2021年03月28日23:25

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ドヴォルザークの7番でここまで圧倒されるとは・・・京響定期

京響の年度末の定期は、基本的には常任が振って、かつこれぞと言う気合の入った曲目になるもの。そこに、なぜドヴォ7、と訝しがっていたのだが・・・それが、「これぞ」と言う演奏となって現出する。

京都 京都コンサートホール大ホール
京響第654回定期演奏会
広上 淳一指揮 京都市交響楽団
(コンサートマスター 石田 泰尚)
ヴァイオリン独奏 小林 美樹
ドヴォルザーク:序曲「自然の王国で」 作品91
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 作品26
ドヴォルザーク:交響曲第7番ニ短調 作品70

この曲、ドヴォルザークのシンフォニーの中では群を抜いて分厚い響きのする曲なのだが、それがまたこれが京響か?というほどのサウンドで鳴る。京響といえば、かつては失礼ながら管強弦弱で、ブラスの分厚い響きや木管の華麗なサウンドにストリングスが拮抗しきれないきらいがあったのだが、今日のこの曲ではストリングスの分厚い響きにブラスが埋もれんが如し。

しかも、そのサウンドの振れ幅の大きいこと。それは例えば冒頭のpから立ち上がったあと、最初のffにまで至る過程にみせる音圧の息を飲むような高まりであるとか、四楽章も同様に弱音から始まった音楽が、全弦楽器の地を抉るような元弓での主題提示に到達するカタルシスであるとか・・・思わず、「すごい・・」と呟いてしまいましたもの。

最も魅力的だったのは三楽章。ドヴォルザークの舞踊系音楽の、胸キュン、ドキドキ、ワクワクが炸裂。これをして「最高」と言わずして、何という?

広上さん、満を持してこれを持ってきたんでしょうかねええ。この曲、実は実演ではあまりかからず、ぐすたふくんの18年のコンサートゴーアーでも今回で4回目。これまでは、フルシャが大フィルを振った演奏がダントツだったのだが、今回はそれを上回る。いや、下手したら、僕の大好きなドホナーニ・クリーヴランドのCDをも凌駕するかもしれない。

すごいもの聞かせてもらいました。いや、参りました、であります。

それに比べると、1曲目も2曲目も聴いてる時は楽しんで聴いてたが、霞んじゃいましたよねえ。急遽代役に立ったソリストが、想像以上の美音と正確なテクニックでロマンティックに仕上げたブルッフは、このところの立て続けにこの曲を聞かされてる身には、いささか食傷気味でもありましたし。

昨日はなかったと言って母親が悔しがっていたアンコールの「ポルカ」(チェコ組曲第2曲)も素敵な演奏。広上さんの「京都市民の皆さんのために私たちがいる」「皆さんが元気になってくださいますように」との言葉と合わせて、広上さんの変わらぬ聴衆への思いのありがたさが身に沁みる。その思いが、来年度の変則運営を乗り越えて、広上さん最後のマーラー に実を結びますように。
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