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2021年03月21日21:41

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フルトヴェングラーのベートーヴェン交響曲全集を聴く

YouTubeでフルトヴェングラーのベートーヴェン交響曲全集が
話題になっていた。
https://www.youtube.com/watch?v=Xtc2cY29iO4

これを見て、最近、この全集盤を聴いていなかったことを
思い出し、聴いてみることにした。
ただ聴くだけではつまらないので、
現行盤を購入し
(ワーナー5枚組、ネットでなんと1980円!)、
手持ちの全集盤(EMI TOCE7530〜7534)と
音質を比較することにした。
TOCE7530〜7534はファンのあいだでも評価が高く
ヤフオクでは中古でも4〜5万円位するようだ。
(YouTuber氏は「3万円もしなかった」と話していた)

新しく購入したワーナー盤を先に聴いてみた。
スタジオ録音でもともと音質の良い
1番、3番、4番、6番が聴き応えがあった。
ダイナミックレンジはそこそこだが、
濃厚な味わいのある音色で、定評ある名演を
楽しむことができた。
同じスタジオ録音でも5番はテープの劣化が
著しいし、ライヴの2番、8番は音が悪い。
特に8番は音が悪くなったなあと感じた。

9番は、やや音が細い。
音量レベルがあまり高くないので
クライマックスでの盛り上がりに欠ける。
美しい音質は魅力だが、この曲は
迫力がないと物足りない。
それでも1番、3番、4番、6番だけでも
この全集盤を買う価値があると思った。

一方、EMI TOCE7530〜7534は
ワーナー盤と対照的である。
力強い音圧はいいのだが
音質は薄味で、馥郁とした味わいが
なくなってしまった。
録音の古い7番、ライヴの8番は
このほうが音質はいいのだが。
マニア絶賛のレア盤だが
これさえ持っていれば他の盤はいらないと
いうわけにはいかないことは言っておきたい。
何万円も払って「こんなものか」と思ってしまったら
不愉快だろう。

コクのある音質のワーナー盤か
迫力のあるTOCE7530〜7534か、という感じである。

久し振りにこの全集盤をまとめて聴いて
あらためて感動した。
第3など、力を抜いた淡々とした演奏なのに
なぜこれほど感動するのか、本当に不思議である。
大指揮者の晩年、最後の境地の凄さだろうか。

この全集盤について、次回、
イタリアEMIについても書いてみたい。

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