ワーグナー、Rシュトラウス、モーツァルトの
オペラを聴いてきたので、
今度は、ヴェルディのオペラの中から
「オテロ」を聴くことにした。
数ある、ヴェルディのオペラの中から
「オテロ」を選んだのは、
トスカニーニ、フルトヴェングラー、
カルロス・クライバーなど、
好きな指揮者が取り上げているからである。
「オテロ」を聴くにあたって、注目したのは
オテロでなく、悪役のイヤーゴである。
主役のオテロには、デル・モナコやドミンゴなど
スター歌手が選ばれるのが常だが
オテロがカッコいいのは、せいぜい最初の部分だけで
あとは、妻の浮気を疑い、悩み、発狂して
妻を殺し、挙句の果てに自死する。
全然カッコよくない。
大スターを抜擢するほどのものでもないような
気がする。
それに対し、悪役のイヤーゴ。
こいつは本当に悪者だ。
「オテロが、イヤーゴではなく、カッシオを
副官に任命した」ことに不満を持ち、
狡猾な手段を使って、オテロとカッシオを
不幸のどん底へ突き落とすのだ。
それで、オテロではなく、イヤーゴを中心に聴くと
意外にいいCDが少ないことに気づく。
例によって、いろいろなCDを聴いてみた感想を
書いてみた。
�．轡腑襯謄�/ウィーンフィル
オテロ、イヤーゴ、どちらも知らない歌手。
なかなかパワフルだが、表現はわりと単調。
ショルティの指揮も単調。
�▲�ラヤン/ベルリンフィル
カラヤンの新盤。
オテロのヴィッカース、イヤーゴのグロソップ、
とちらも声に魅力がない。
カラヤンほどの巨匠ならば、配役に名歌手を
揃えることができたはずなのに、
この２人のつまらなさは、いったい何なんだろう？
この組み合わせでオペラ映画もあるが、
ヴィッカースは声だけでなく、演技も下手だ。
��トスカニーニ/NBC
いわずと知れた名盤。
トスカニーニのオケをぐいぐい引っ張っていくような
指揮は本当に圧倒的だ。
第２幕のエンディングなど、復讐に燃える
オテロの精神状態そのもののような、
熱狂的な表現だ。
オテロ役のラモン・ヴィナイも最高だが
イヤーゴ役のヴァルデンゴはそれほどでもない。
�ぅ侫襯肇凜Д鵐哀蕁�/ウィーンフィル
巨匠の珍しいレパートリーだが
濃厚な表現が、この曲に合っていると思う。
オテロ役のヴィナイに加えて、イヤーゴ役の
パウル・シェフラーが 悪役を見事にこなしていて
非常に聴きごたえがある。
ただし、イタリア的ではないかもしれないが。
�ゥ�ラヤン/ウィーンフィル
カラヤンの旧盤。
�い鉢イ里△箸法△海譴鯆阿�と
トスカニーニとフルトヴェングラーの影響を
受けた演奏のように感じた。
録音が良く、ウィーンフィルは美しいし、
デルモナコのオテロも最高で、これだけ聴けば
満足なはずだったのだが・・・。
�Ε┘譟璽�/NHK交響楽団 デル・モナコほか
1959年東京でのライヴだが、録音は意外に良い。
エレーデの指揮が、快適なテンポの中で
音楽が実に生き生きとしていているし、
第２幕のエンディングは、トスカニーニに次ぐ
スピードで、かなり熱狂的でもある。
デル・モナコはもちろん、イヤーゴ役の
ティト・ゴッピも最高だ。
指揮者、オテロ、イヤーゴの三者が揃っていると
いうことで、今回聴いた中では
�Δ裡龍船薀ぅ瑤�最高ということになった。
このCD、実はあまり期待していなかったのだが、
名盤の��や�ァ�巨匠の�い鬚靴里亜∈嚢發量庄蕕澄�
カルロス・クライバーは、まだ聴いていないが
大作のCDを６種類も聴くと、さすがに
今聴くのは無理だ。
ほとぼりが冷めてから、聴くことにしたい。
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