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2019年12月29日15:20

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映画日誌「家族を想うとき」

 家族のことを想い、いずれはマイホームを持ちたいという願望から懸命に働くうちに、いつのまにか家庭の崩壊に至ってしまうという、現在の日本でも共通したような社会問題が痛烈に描かれていて、何の解決の糸口も見いだせないまま唐突に終わってしまう結末に、見る側もやや気が滅入ってしまう感じだが、決して社会に対する怒りなどがテーマではなく、基本は一番大切なのは家族愛であるという、ケン・ローチらしい人間ドラマであり、さりげない描写の中に、一生懸命生きる人々の姿がしみじみと伝わるのも味があるのは確か。
 ケン・ローチが得意とする一般庶民の映画といった感じで、社会福祉制度の整備、貧困層の救済制度などをもっと整えるべきだ、というような訴えは除き、あくまで人間ドラマとして観るのもよいが、この映画を観て、我々も改めて今の生活の中で、欠けているものは何なのか?を考え直してみるべきなのでは(笑)。
★60点
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