mixiユーザー(id:472289)

2019年03月26日01:14

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駆ける狼

時が迷いを耳元で囁くのは何故だろう
この生きている時間が有限であるものだから
どうしても愛おしくて誰にも奪われたくない
時が自分と共に横たわっているのは呼吸を感じられるほど解放された時がそこにある時だ

まるで喪中の寡婦の様に静謐な流れの中で
出来るだけ光から身を隠す様に
焼けただれた肩を背負い込み闇へと姿を眩ませようと
黒い衣を身に纏うのだけれど
私の肩は炭焼けた溶岩の様に赤く闇に燃えていて妬けに人目につくのだよ

月が綺麗な闇夜に遠吠えを轟かせ私は人の形というものを忘れてしまった
身体のうちから無尽蔵に噴き出す得体の知れない蟲が躍り出ては引っ込みを繰り返している
身体も心も不安定に破裂しそうだ
頭にそのうち輪っかが出来て私を天の国に連れて行ってくれるならそれでもいいだろう
今は何より闇を突き抜けて振り切り飛び出す事が最優先なのだから
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