11月19日付の名ブログ「人生ブンダバー」でアイヒマンのことに触れられていて、タイミング
良くその3日後にスカパーで標題の映画が放映になりました
一応録画したまま見る時間がなく「積録」になっていたものを、冷たい雨がそぼ降る今日、
行く当てもなく、なすこともないので再生拝観となりました
アイヒマンの名はワタシのような年代はかろうじて記憶の隅に残っております
戦後逃亡・潜伏していたのを探し出され処刑されたのが1962年ですから小学生の頃です
子供心にも悪いやつが捕まったという印象でした
そのアイヒマン逮捕に当たって、半ば執念のように力を尽くしたユダヤ人検事長フリッツ・
バウアーを主人公とした本作は、完全ドキュメンタリーではなく、製作者の解釈やもしかした
ら脇役やエピソードにはフィクションも含まれているかもしれない、政治劇でした
戦後非ナチ化が厳しく、あのフルトヴェングラーも活動自粛を余儀なくされておりましたし、
完全に排除されていたと思いましたが、この作品を見るとまだまだナチスの残党はしぶとく
生き残り、バウアー検事長の活動に様々な妨害を仕掛けていたということは驚きでした
現代でもネオナチと言われる人々がいるということは知っていますが、それを実感させられ
ました(あの時代だけが異常だったのではない)
日本では戦後掌を返したように、「あの戦争には反対だった」と言う人が続出しましたが、
そんなたやすいものではないです
劇中インタヴューに答えるアイヒマンの言葉が流れますが「私の罪はユダヤ人を完全に撲滅
できなかったことだ」と語るのを聞くと、ヒューマニズムだけによる平和論に空しさを覚えます
アイヒマンは捕縛され、イスラエルで絞首刑に処されますが、バウアー検事長は必ずしも
満足はしていない、彼はあくまでもドイツで判決を行い、併せて他のナチス残党も相当の
刑に処したかったのだということを強く訴えておりました
ドイツではまだ戦後処理が終わっておりません
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